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高齢者所在不明事件が示すもの=家族の絆を失いつつある日本―中国メディア

2010年08月05日

先日、東京都男性最高齢である111歳とされてきた加藤宗現さんが、実は死亡していたことが発覚した。その後の調査で所在不明の高齢者が続々と見つかり、厚生労働省発表では4日までに22人以上が所在不明だと判明した。「長寿の国」日本で起きた、奇妙な事件を中国メディアも注目している。



※動画は当記事とは基本的に関係ありません。

中国では100歳を越えた老人のことを「人瑞」と呼び敬う。今回の事件は「幽霊人瑞」との名称で報じられている。2010年8月5日付中国網は記事「連日の人瑞「失踪」事件を評する=「失った」のは人だけではない」を掲載した。

日本には100歳以上の高齢者が4万人以上存在するとの統計があるが、事件はこのデータの信頼性に疑問符を投げかけるものになったと同紙は指摘する。それと同時に深刻な高齢化問題に直面している日本が、法律、行政、高齢者保護制度などさまざまな面で欠陥をかかえていることを浮き彫りにしたと指摘している。

日本の高齢者は施設や家族とともに住んでいるケースもあるが、一人で住んでいるケースも多い。ゆえに老人の「孤独死」はもはや一般的となりつつある。社会 福祉機関や自治体職員らの訪問がなければ、死亡後、長期間にわたり発見すらされないことも多い。加藤さんのケースは親族が死を隠し年金を受給していたとい うケースだったが、東京都内最高齢で20年以上も行方不明となっている古谷ふささんのケースはより根が深い。

日本メディアの報道によると、行方がわからない高齢者の多くは、金銭的な問題ではなく、家族が行方を知ろうともしなかったことが原因だと報じている。家族 の感情の「喪失」が高齢化社会における社会保障制度を破壊しつつあるのだ。日本社会が「性善説」に基づいた高齢者関連法規の見直しを検討するのもやむをえないところだろう。

(Chinanews)
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 コメント一覧 (2)

    • 1. 年金☆年金
    • 2010年08月08日 08:00
    • ご存知だと思いますが,日本の場合,家族が年金を受け取るために,老人を(書類上)生かしておくという可能性もあります。
      http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20090522/195571/?P=4

      個人的には心の問題というよりも,金銭的な問題として考えています。
    • 2. Chinanews
    • 2010年08月08日 19:04
    • >年金☆年金さん

      コメントありがとうございます。
      おっしゃるとおり、日本の高齢者行方不明問題は「心の問題」で片付けられるようなものではなく、経済的な問題が占める比重も少なくないように思います。

      ただ、ちょっと舌足らずだったかなと反省しているのですが、紹介したような中国メディアの論調には伏線があります。近代化が進む中国都市部では「平房」と呼ばれる長屋からマンションへの引っ越しが続いています。簡単にお隣さんの家をのぞきこめ、また中庭を共有していた「平房」と違い、マンションは隣近所との交流がないとして、孤独の問題が近年、大きく取り上げられるようになりました。また核家族化も進展しています。

      日本の老人孤独死の問題は、その意味で、中国の将来の姿としてとらえられていると言えるでしょう。高齢者行方不明問題は「日本ではお隣のおじいちゃん、おばあちゃんがいなくなっても気にしないのか」「家族も必死に探していないのか」と、中国に改めて驚きを与えた問題だったのではないでしょうか。

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