中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年08月11日
2010年6月21日、北京市内に本物そっくりのニセATMが見つかり、現地当局によって撤去された。このニセATMは利用者のカード番号とパスワードを 読み取り、実行犯がそれを使ってキャッシュカードを偽造し、口座から現金を引き出すという仕組み。犯人はすでに拘束されているという。
大胆!ニセATM出現、その手口は巧妙というかツメが甘いというか…―北京市
山東新聞網の報道によると、中国では本物のATMが個人でも簡単に購入できる。中古ATMならばネット上に販売情報があふれ、3万~5万元(約40万~68万円)で入手できるという。
<続報><ニセATM事件>誰でも本物のATM機器が購入可能!中古なら40万円から―中国
中国でATM使う時は銀行の中とか、ちゃんとしている場所を選ぶべきですね。最近では設置個所も増えてきて、思わぬところに置いてあったりもしますが、「本物なのか?」「故障してないか?」と疑いの視線をで見てしまいます。面倒でもなるべくちゃんとしたところに行くのが吉ですね。
もっとも本物のATMだからといって安心はできません。「故障でいくらでも引き出せる状態になっていたため、ついついネコババして無期懲役」とか、「なんか口座残高が1兆円に増えてる。怖い!」とか、「お金を引き出してみたら、ニセ札だったでござる」なんていう事件もありました。
そうした中国ATM事件簿に新たなエピソードがあったようなので、ご紹介を。
まずは2010年8月6日付北京晨報の記事から。北京市のあるスーパーの前にATMが出現。しかしモニターは真っ黒で電源が入っていない状態です。先日、付近で偽ATMの出現があったばかりとあって、「ここにも偽ATMがやってきた」と住民たちは驚き、警察に通報する騒ぎに。ところが駆けつけた警官が調べたところ、どうやら本物のATMのよう。まだ設置が終わってなく、電源が入っていなかったよう。
ATMが設置されたスーパーの店主は「銀行から先日、話を持ちかけられたんです。みんなのためになると思ったんですが」と困惑していたそうです。
もう一つのエピソードは2010年8月5日付重慶晩報が報じたもの。32歳となる彭さんの仕事は物ごい。そしてそれとは別にもう一つの収入源があった。それはATMの側でじっと待ち、カードを取り忘れる人を待つこと。わずか半年間で10回以上、5万元(約63万円)を手にしたそうです。もっとも悪事は続かないもので、6月下旬、不審に思った警備員に取り押さえられたのだとか。
この彭さん、毎日5時間もATMの前で待っていたのだとか。お金を引き出せたのは半年で10回ということですから、チャンスはほぼ18日間に1回。その間、じっと待ち続けたのはもはや「不屈の精神」と呼ぶにふさわしいように思います。その力を生かせば、別の仕事もできそうな気がするのですが。
「不振に思った」->「不審に思った」ですね。