中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年08月15日
一件目は13日付南海網の報道。海南省海口市に建設中のマンションです。
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海岸まで1~2キロのいい立地ですね。不動産バブルが懸念されるほど開発ブームが続いている海南省の好立地。なかなかの好物件じゃないでしょうか。
ただ唯一、問題があります。それは現在建設中のマンション50余棟(最高で10階建て以上の高層マンションを含むとか)、その全てが建設許可を得ていない違法建築であるということ!
ともかく作ってしまえば、売ってしまえば、なんとかなるべという精神だったのでしょうか。すでに一部は内装工事の段階にあるそうですが、法律にのっとれば全て壊される運命です。
あるいは業者と地元政府が癒着するなど、なにか壊されないための抜け穴が用意されているのかもしれませんが。
続いての記事は江蘇省鎮江市包容市黄梅鎮の事件。12日付揚子晩報の報道です。
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ショベルカーが向かう先には、パステルカラーのオシャレなマンションが見えますが、これはなんと「中国版一夜城」とでもいうべき傑作。上に貼ったグーグルマップを見ていただくとわかりますが、このあたりはまだまだ畑が数多く残っています。ついに再開発計画が持ち上がり、政府が土地収用を決めたとのこと。
そこからがすごい。黄梅鎮に住む尹さん兄弟は、わずか20日余りに床面積計5000平方メートル弱のマンション5棟を完成させたとのこと。「立ち退いてやるから、補償金ちょーだい」というやつですね。「包容市違法建築史上の『奇跡』」とたたえられているそうです。
もっとも凄まじいばかりの行動力と裏腹に、法律の知識は足りなかったようで。ちゃんと登記されていない違法建築は補償の対象にはなりません。10日、このマンションは取り壊されてしまいました。なにせ慌てて作った「一夜城」。ひどい品質で、1時間ちょっとの作業できれいさっぱりなくなってしまったとか。
「ちょっと部屋を大きくした」とかの日本の違法建築が馬鹿らしく見えるほどのスケール感。中国、さすがです。