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2010年08月18日
13日付サーチナによると、宝くじの種類は「福利彩票双色球」(福祉宝くじ他ブルカラーボール)。「『6+2複式票』という方式で、6けたの数字を当て、さらに2けたを当てると、賞金がはねあがる」とのこと。
10日夜に当選が判明した後もすぐには当選者が名乗り出ず、中国中の注目を集めていました。そして、当選から1週間が立った17日、ついに登場しました。(18日付新聞晨報)
上海市福祉宝くじ発行センター引換所に現れた申さん(仮名)。2億5900万元のうち、まず税金5000万元弱をお支払い。その後、市の貧困救済基金と舟曲土石流義援金に512万元(約6450万円)ずつ寄付したそうです。当選金額は史上2位(1位は昨年9月、河南省の購入者3億5000万元)ですが、寄付金額は史上1位だとか。
なおこの申さん、あまりにも普通にやってきたので、発行センターで働く人々もこの「大金持ち」の登場にまったく気づかなかったとか。お金の手続きだけした申さんは、騒ぐことなく静かに帰ったそうです。
昨年、今年と高額当選が相次いだことで、またまた中国では宝くじ人気が高まりそう。中国では公式には「福祉宝くじ」と「スポーツ宝くじ」の2種類がありますが、それ以外に闇宝くじが氾濫しています。
その闇宝くじの被害ですが、2007年の記事と少し古いですが、日経ビジネスオンライン掲載の「地方経済の混乱を招く 非合法の宝くじ「闇六合彩」」が詳しく解説しています。
闇六合彩は血を吸う蛭(ひる)のように地方経済を蚕食している。不完全な統計によれば、湖南省平江県にある11の郷や鎮では、40万人が闇六合彩に参加して2000万元(約3億円)以上の血と汗の結晶が消えて無くなったし、岳陽市では1年間で闇六合彩により3億元(約45億円)以上の資金が流出している。広東省の関係部門はかつて省内に29ある県級市で調査を行ったが、農村で闇六合彩へ投入する資金の合計は1年間で33億元(約495億円)以上にも及ぶことが判明した。また、広西チワン族自治区では、闇六合彩への支出が原因で、都市住民の貯蓄総額が以前4.3億元あったものが、5年間で4472万元にまで落ち込んだ。都市住民の貯蓄が10分の1に落ち込むって、すごくないですか?みんなはまりすぎ。
地方経済の混乱を招く 非合法の宝くじ「闇六合彩」