中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
以下は2010年8月31日付東南新聞網より。
27日、中国保護消費者基金会に勤める著名ブロガーの張洪峰氏がブログで、ある文書を公開し注目を集めた。その文書とは、黒竜江省大興安嶺地区漠河県が航空会社に当てた書簡。県政府幹部が登場する場合には、無料でエコノミークラスからファーストクラスにアップグレードするよう求めている。もしファーストクラスに空きが無ければ、旅客をエコノミークラスの最前席に移してでも席を用意しせよというご無体な話。
公務員の飲食経費が年数兆円、空母買えるやんけ!というありさまの中国。「ビジネスクラスに乗ってはいけませんよ」「接待宴会での品数は3皿まで」とか、まあびっくりするような細かい規定があります。でもまあ「上に政策あらば、下に対策あり」というお国柄。「各種料理をのせた超大皿の超大盛りでどうよ」みたいな抜け穴を探す技に長けているわけで。今回もそうした裏技の一つなのかもしれません。
また、漠河県は観光地でして、夏季などピークシーズンには需要があるものの、冬季はおそらく搭乗率はさんたんたるもの。県幹部が「補助金の支給も検討している」と発言したことがあるそう。そうした利益的なつながりも問題視されているようです。まー、中国の航空会社って半ば公的存在であり、日本同様、政治的な要請に従って赤字でも地方路線を飛ばさなきゃいけないという使命がありまして。そのうちJAL同様、経営に重くのしかかることでしょう。
ともあれ、話題となっている「アップグレード問題」。ただし、ブログで公開された文書は、「漠河市」(県級市に昇格する計画はあるものの、現時点では市。書簡は2008年のもので明らかな間違い)と書かれているなど間違いもあり、「永田メール事件」ばりの誤報の可能性も。それでも、「あー、ありそう」とみんなが思ってしまうようなネタだけにすごい勢いで取り上げられているんでしょうね。