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筋肉が溶ける?工業用薬品が原因か?!「ザリガニ食中毒」大騒動は意外な結論に―中国

2010年09月08日

今年8月、中国を騒がした「ザリガニ中毒事件」。「筋肉が溶けるだって?!」「工業用漂白剤でザリガニを洗っていた?!これが原因だろ」と中国では大騒ぎでした。(文末「関連記事」参照)。

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「工業用漂白剤(酸)でザリガニを洗っている」というのはなんともショッキングな話。本ブログの過去記事でも「「ザリガニ洗い粉」の中でもごく一部の製品に問題があるとか、まったく別の要因があるとかも考えられますね」などと注釈を入れつつも、きっと薬物被害なんだろうなと思っておりました。

ところがところが。7日に専門家の発表があり、ハッフ病という水産物の毒素が原因と考えられている病気だったとの結論に。工業用漂白剤関係なかった!酸につけたザリガニでも、その後、よく水洗いすれば、(とりあえず短期的には)人体には害はない、と。人間すごい。

つーか、2000年にも北京市でザリガニを食べた後にハッフ病を発症したケースがあったとのこと。漂白剤を疑う前にハッフ病を疑うメディアはなかったんでしょうか。

すごいのは日本の「食品安全情報blog」。8月24日時点でハッフ病の可能性を示唆しています。中国語メディアでも9月2日付北京晩報がいち早くハッフ病ではないかと報じています。

「工業用漂白剤が原因やで」と決め打ち報道した中国メディア(と日本の中国関係メディア)の責任と報道体制は問われるべきでしょう。まあ、これだけメラミン汚染粉ミルクなど悪質な薬品汚染事故が相次いでいる中国だけに「またキター」と騒いでしまう気持ちもよくわかりますが…。

さて、病名は分かったのですが、「ザリガニを食べない」以外の予防方法が分からないのがきっついところ。ほとんどのケースでは、体中が痛くなる、だるくなるぐらいとのことですので、どうしてもザリガニを食べたい人は、アニサキスを恐れながらサバを食うように勇敢にチャレンジしてみるってところでしょうか。そんなにうまいものでもないので、私はもう遠慮しようかと。

今年7月から8月にかけ、南京市一帯ではザリガニを食べた後、横紋筋融解症を発症する患者が多発していた。2010年9月7日、南京市で同問題に関する記者会見が開かれた。中国疾病予防管理センター栄養・食品安全研究所の呉永寧研究員は、問題の病気は「Haff disease」(ハッフ病)だと発表した。

ハッフ病はバルト海、地中海、ブラジル、北京などで確認されている病気。カンムリブダイ、マナガツオ、ザリガニなどの水産物を食べた後に発症するケースが多い。生物の毒素が病因になった可能性が高いと見られているが、詳細については今なお不明である。

米国では1980年代に23件の症例が報告されている。バルト海沿岸ではここ9年間で1000件弱、北京では2000年にザリガニを食べた患者6人に確認されている。

多くの場合、ハッフ病は水産物を食べた後24時間以内に発症。横紋筋融解症を引き起こす。全身の痛み、場合によっては血尿などがあるが、大半のケースではその後、回復する。腎機能への影響から死亡するケースも考えられるが、適切な治療を受ければ回復するという。

2010年9月7日付財新網


(Chinanews)
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<過去記事>
Kinbricks Now:<本日の動画>真っ黒なザリガニがぴかぴかに変わる「魔法の粉」は悪魔だった?!筋肉溶ける謎の奇病が発生

Kinbricks Now:お金持ちはエビでもどうぞ!おれらは庶民の伊勢エビ・ザリガニを食らうっ!

<関連記事>
「洗い粉」のせい?ザリガニを食べて筋肉が溶ける市民が続出―南京(サーチナ)

被害者多数、ザリガニ料理で筋肉が溶ける?!ザリガニ洗う「謎の薬品」が原因か―中国(レコードチャイナ)

 コメント一覧 (2)

    • 1. スポンジボブ
    • 2010年09月08日 15:08
    • 中国人が中国製を信用しない^^;
      それによって日本製品の信頼性が際立ち売れる!!!
      いいんじゃないでしょうか?^^
    • 2. Chinanews
    • 2010年09月08日 15:12
    • >スポンジボブさん
      そういう意味では日本製品の信用性確保が大事ですよね。
      デフレで物が安くなって消費者としては嬉しい部分もあったりしますが、昔なら絶対に売り物にならないような安物が売られるようになったり。日本大丈夫か!と心配になる時もあります。

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