中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
世間で言われているように、現代ウイグル語の置かれた状況は確かに厳しいかもしれません。しかし私見では現代ウイグル語話者が享受している現在の言語環境は、それでもウズベキスタンのウズベク人やカザフスタンのカザフ人、クルグズスタンのクルグズ人たちよりはよく整っていると思います。それはひとえに新疆の出版人やirpanのような民族資本の矜持の発露として捉えることも可能でしょうし、(違うという人も、信じたくない人も多いでしょうが)中国の少数民族政策の周到さといってさえ良いと私は思います。まあ、この点はまだまだ検証が必要でしょうが、今回の旅は現代ウイグル語のたくましさ、元気なところを確認できた旅でもありました。私は現地を訪問したことがなく、直接の関係・体験は日本にいるウイグル人学生とのおしゃべりぐらいしかありません。そういう意味ではなかなか肌感覚で理解できていない問題なのですが、ウイグル人学生たちが持つ強い民族意識(そういう人たちだから留学を選んだという可能性もありますが)を目にするたびに、中共がどれほど巧妙な民族懐柔、統合政策を展開したとしても、そう簡単に解決する問題ではないだろうと感じました。