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振り込め詐欺の背後にあった驚きの事情=犯罪者が犯罪者を食い物にする―中国

2010年09月10日

中国には「黒吃黒」という言葉があります。黒(犯罪者)が黒(犯罪者)を食い物にする、といった意味ですが、今回ご紹介するのはまさにその典型のような話です(2010年9月10日付深圳商報)。



Turbo Button ATM / *USB*



今年5月17日、深圳市福田区に住む李さんは、知らない男からの電話を受けた。電話は息子を誘拐したと告げ、ただちに銀行口座に5000元(約6万2000円)を振り込むよう要求した。息子の命には代えられないとすぐに金を振り込んだ李さん。誘拐はまったくのウソで、息子は無事だと知ったのはその後のことだった。

これだけの事件ならば、たんなる電話の詐欺事件といったところだが、「誰がやっていたのか」というのが面白いところ。

電話詐欺の実行犯だった羅頭炷(仮名)、なんとベトナムから中国各地に電話していたという。今年5月、友人の紹介でベトナムの仕事を紹介された。給料も高く福祉もしっかりしているという好条件。喜び勇んでベトナムに向かった。

ところが、ベトナムに到着すると、待っていたのは意外な展開だった。「到着後すぐにマンションの一室に軟禁されました。パスポートなどは全て取り上げられました」と羅は話した。彼が就職した企業は、外国人が経営する詐欺企業、監禁した中国人を使って振り込め詐欺を行っていた。

詐欺企業側は暴力的な手段をとることはなかったというが、軟禁されていること、よく知らない外国にいることから、羅には選択肢は残されていなかった。訓練を受けた後、毎日の「仕事」が始まった。

毎日、会社からは獲物に関する資料が渡された。名前や年齢、家族構成と電話番号などが書かれていたという。羅は「息子は預かった。金を振り込め」と毎日、10回以上電話していたという。トキには同じ部屋にいる仲間が子どもの泣き声のマネをするなど、同僚全員が一緒になって演技していたという。ほとんどの場合で詐欺は失敗したが、中には慌てて金を振り込んでくる者もいたという。なお詐欺が失敗しようとも、月2500元(約3万1000円)の基本給はちゃんと支払われたという。

8月に入ると、詐欺会社スタッフは「危なくなったのでやめる」と発表。中国人らは解放された。その後、紆余曲折を経てようやく帰国できたが、まもなく逮捕されてしまった。

(Chinanews)
*記事についての情報や間違いなど教えて頂けると大変助かります!コメント欄か、メール(kinbricksnow●gmail.com、●を@に変えてください)でお願いします。


 コメント一覧 (2)

    • 1. スポンジボブ
    • 2010年09月10日 18:12
    • この前、同級生に飲み会に誘われて行きました。

      その同級生の会社の後輩も呼ばれてて、経歴を聞くと元オレオレ詐欺のグループに入っていたそうです^^;

      その頃は月収が100万近くあって良かったと言ってましたw

      その後、ニュースで他のグループが捕まるのを見てビビッて辞めたそうです。

      そんなヤツが今では大手パソコンメーカーのN〇C社員です。

    • 2. kenya
    • 2010年09月10日 20:12

    • >スポンジボブさん

      自分も昔アルバイト先でオレオレ詐欺をやっていたと言う人間と会ったことがあります。

      まだ最盛期の時期だったのでしょうか、同じようにとにかく羽振りが良かったようで。

      個人的には非常に嫌いなタイプの犯罪です(そりゃ犯罪は全部だめですけどw)。

      詐欺というならもっと緻密に頭を使って欲しいとゆうか、いたいけな老人をターゲットに下手な鉄砲数打ちゃあたる、ではあんまりでは。。(まあ、だから誰でも出来るのでしょうけど)

      大金持ちから命の危険を犯してふんだくる!!そんな気概のある詐欺師はもういないんですかね(詐欺はだめですけどw)。

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