• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

<映画評>観光PR映画?!いやいやただの親バカ映画=リメイク版「ベスト・キッド」を観た<3完結>

2010年09月16日

激しく長くなってしまった映画評ですが、今回が完結編。もう少しだけお付き合いください。

全画面キャプチャ 20100916 74725
※公式
Trailer。ジャッキーももう56歳、老けたな……。クリックで動画。

リメイク版では、味付け程度とはいえ、現代中国のかかえる社会問題なんかも、スパイス的に取り入れています。ヒロインは音楽学校への入学を目指して、日夜バイオリンのけいこにあけくれているんですが、中国の受験戦争を取り入れたんじゃないかと。中国経済の急成長を象徴する北京高層ビル群の描写もなかなか。

そういう細かい目配りもあってか、2時間20分という長尺に。正直、疲れた(笑)。実はオリジナルも2時間超えの映画、そこまでマネしなくてもいいのに。

この長尺には訳があります。中国にきたドレくん、紫金城、鳥の巣スタジアム、道教寺院群の武当山、万里の頂上と中国の観光地をぐるぐるとまわります。明らかに観光PR映画になってますね。今夏、中国で大ヒットした映画「唐山大地震」も、地域振興のために唐山市が企画したんだそうで。Wikipediaだと、リメイク版の製作に中国電影集団公司も名を連ねていますが、中国資本も一枚咬んでいるじゃないのと疑いたくなります。

全画面キャプチャ 20100916 55924
※万里の頂上。おいおいおい……。


とまあケチをつけましたが、いいところもたくさん。特に主演したウィル・スミスの息子ジェイデン・スミスは素晴らしい!七光りではなく、立派な輝きのある役者です。驚きの身体能力でカンフーもきれいにこなしてましたし、演技力の高さは特筆すべきものがあります。

全画面キャプチャ 20100916 74759
※父の血の力か、すばらしい身体能力。ジャッキーも「養子にしたい!」と絶賛したとか。

結論。

普通に良いハリウッドカンフー青春映画でした。自分のように、オリジナルのテキトーさやB級テイストが好きな人間にしてみると、何だか普通の映画になってしまったなという、うがった感想もあるのですが、オリジナル未見の人にとっては素直におもしろいんじゃないかな。

というのは、映画本編が終わって5秒後までの感想。

その後のエンドロールで評価は一変することに!

突然、スクリーンにウィル・スミスが出現!撮影中の息子と一緒の写真が延々と流れます!女優の奥さんも出て来て、ほとんど家族旅行のスライド写真の様相……。

はい。エンドロールで明らかになる真実。この米中合作の大作映画、ひとえに息子自慢、息子の俳優デビューのためだけに作られていたのだ、と。

全画面キャプチャ 20100916 73748
Men In Blackより。クリックでラップも聴けます。


ウィル・スミスの親バカ愛に脱帽です。

さて、<1>でとりあげたカンフー映画なのにタイトルが「the Karate Kid」という酷過ぎる問題。劇中、主人公の母親が何気なく発した言葉の中に答えがありました。


「空手でもカンフーでもどっちでもいいじゃない。」


画像
※日本劇場版パンフ。表紙は原題オンリー……。

製作者側のギャグというかフォローだと思うのですが……。

「中国でも日本でも、カンフーでも空手でもどっちでもいいし、何でもいいよ。売れればいいよ。ついでに俺の息子も売ってよ」。

そんな風に聞こえてしまったのは自分だけでしょうか……。さすがエンタの神様、アメリカ様。商売上手なことで……。



※エンディングテーマもジェイデンくんが歌います。ジャスティン・ビーバーとのコラボ曲Never Say Never ft. Jaden Smith 。ウィル・スミスの親バカ愛にぬかりなし。


(kenya)
*記事についての情報や間違いなど教えて頂けると大変助かります!コメント欄か、メール(kinbricksnow●gmail.com、●を@に変えてください)でお願いします。

コメント欄を開く

ページのトップへ