中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年09月20日
そして3回目となるのが今年5月末から8月末にかけてのもの。73社の従業員約7万人が参加したという。ストライキが起きた企業のうち48社は日系企業だった。苗主席は規模は大きく期間も長かったが、非暴力的なストライキだったと話している。
2005年から2009年にかけ、大連開発区の給与は年平均5.7%のペースで上昇したが、二桁成長を続けたGDP伸び率を大きく下回っていたという。こうした問題に新世代出稼ぎ農民(農業を経験したことがない、若い世代の出稼ぎ農民。教育水準が高く、権利意識も強いという)は敏感だった。また広東省のホンダストライキ事件やフォックスコンの連続飛び降り自殺事件もストを後押しするものとなった。労働者たちは携帯電話とインターネットで連絡を取り合い、ストライキは企業を超えて広く波及していった。ストライキの期間は各社で異なり、半日で終わったものから14日間も続いたものまであったという。
労働者側は月給800元(約1万200円)上乗せを要求。企業側が提示した150元(約1910円)とは大きな隔たりがあった。最終的に第三者機関が仲介し、34.5%増となる平均300元(約3820円)上乗せで合意した。好待遇の企業では平均給与は月1400元(約1万7800円)に達している。
苗主席は、今回のストライキにおいて各企業の労働組合主席がほとんど影響力を発揮できなかったと総括。また外資企業はストライキ発生後に政府と労働組合の問題と主張するなど協調姿勢を見せなかったと批判した。
また現行の給与指導線(従業員1人当たりの売り上げに応じて定められた、給与の目安)制度は実際の状況とかけ離れていると問題を指摘し、解決策としてストライキ権の確保、労働組合専任幹部の設立、労資交渉制度の確立が必要だと呼びかけた。
*上記記事はレコードチャイナに掲載されたものです。