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1本2600万円!超超超高級酒に見る白酒バブル=早くも黄信号が点滅?!―中国

2010年09月21日

中国の不動産バブル、崩壊するや否や?!

とまあここ数年ずっと盛り上がっているわけですが、中国では不動産と株式以外にも数多くのバブルが生まれています。ぱっと思い出せるものだけでも、

・現代美術バブル
・プーアル茶バブル
・ホータン玉バブル
・にんにくバブル

なんてのがあったような。中国語ニュース翻訳のお仕事を始めてもう5~6年になりますが、何度バブルの記事を訳したことやら。固有名詞だけ置き換えれば仕組みは一緒なので、楽なんですけどね。

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*我が家にある高級白酒「花郎酒」。当然、もらいものです。

さて、もっとも最近目にしたバブルネタ、「白酒(パイチュー)バブル」の話が面白かったのでご紹介。なんと1本2000万円を超える超高級酒が登場したそうで。

先日、汾酒集团は60年物原酒を使った高級白酒1本をオークションで販売。なんと209万元(約2670万円)という天文学的価格で落札された。今年6月に1959年製マオタイ酒が作った103万元(約1310万円)という記録を大きく塗り替えるものとなった。

業界関係者によると、今回の「ショー」は、まもなく発売される1本1000元(約1万2800円)以上の超高級白酒「国蔵汾酒」の下準備。ブランドのポジションを「高級」から「超高級」に引き上げるためのものだという。

近年、マオタイや五糧液など大手酒造メーカーは年代物の古酒の販売競争を繰り広げている。古酒は利益率を引き上げる重要な武器となっているが、女性の年齢と同じ。「本当の年齢」は謎に包まれている。そんな古酒に果たして所有価値、投資価値はあるのだろうか?

先日、ブランド専門家の路勝貞氏が発表したコラムは次のように指摘している。1990年代、一部の酒造メーカーは「酒は古いものが良い」という伝統的観念を利用し、洋酒の年代物概念を導入。消費者に値上げを受け入れさせた。2000年になると、大小1000社近い白酒ブランドはみな年代物の古酒を販売。市場は混乱した。中国白酒メーカーの「真実の歴史」は長いが(企業化する前からお酒を造っていたという意味か:Chinanews注)、企業として成立した後の歴史はそう古いものではない。多くの企業は創業よりも古い古酒を販売し、消費者の疑惑を招いた。

贏道顧問快消品研究センターの穆峰主任も、いわゆる年代物古酒の大半は、製造から1~2年の酒にわずかな年代物の原酒を加えたに過ぎないと指摘する。それでもラベルには年代物原酒の年数が書かれる。これは業界内では公然の秘密だという。またその原酒の年数にしても、国家が定めた基準もなければ検査もないために、メーカーが言っているだけ。一般的に古い年代の古酒ほどニセモノが多いという。

越陳越香的白酒“芳齢”飽受市場質疑(古いほどうまくなる白酒の「ご年齢」、市場に渦巻く疑惑:鳳凰網
*抄訳
1本2600万円!別の記事によると、オークションで1本20万元(約255万円)以上の値段を付けた白酒は十数件あったのだとか。売ったメーカーは話題作りでしょうが、買ったのはどんな奴なのやら。投資か賄賂か、どちらかでしょうね。

中国の街中を歩いていると、「回収煙酒」という看板をよく見かけますが、これはタバコと酒の買い取りをしてくれるお店。賄賂の定番であるだけに気軽に現金化できるという。ほとんどパチンコの景品ののりでしょうか。ある官僚宿舎近くのタバコ店では「高級タバコを販売→買い取りに持ってきた→また販売→買い取り」という無限ループが続いた、なんていう笑い話もあるほどです。

そういう賄賂需要がある限り、白酒の値段は高ければ高いほど都合がいい。バブルとは投機により実勢価格が実質価値を大きく上回った状態を指すので、1本2000万円だろうと2億円だろうとバブルではない!

と言えればいいのですが、そうもいかないんでしょうね。ましてや原酒の年数が真っ赤なウソだなんてばれたら……。

というわけで、白酒バブルについてご紹介しました。次は何がバブルになるのやら。ニンニクまで投機対象となる中国だけに、白酒バブルなんてまだまだ普通。もっと意表を突かれるバブルを期待しています!

(Chinanews)
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<過去記事>
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