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2010年09月26日
釈放にいたる決定には温首相の談話が決め手になったと取材に答えた研究者たちは口をそろえている。清華大学国際問題研究所の劉江永(リウ・ジアンヨン)教授は、尖閣問題について政府指導者がこれほど強硬な発言をしたことはなかったと指摘。「日本に対してさらなる行動を採る」との発言は、日本に大きなショックを与えたと分析した。劉教授は日中がひそかに緊密なコミュニケーションをとっていたと見ており、中国側は温首相発言の重みは伝えたと考えている。
突然の釈放は、衝突事故が日本の主張するような司法の問題ではなく、政治問題であった何よりの証明だとシンガポールの著名な日本問題評論家である卓南生(トウ・ナムセン)氏は指摘する。日本、そして欧米メディアは事件は中国外交の勝利だと指摘するが、卓氏は日本の敗北かどうかはまだ断言できないと分析している。日本は国内法に基づいて船長を勾留しており、目的には向かって半歩前進した。起訴すればさらに前進する。釈放はその中での半歩の後退に過ぎず、中国はやはり被害者だ。日本側は喜んでいることだろうとコメントした。
*上記記事はレコードチャイナに掲載されたものです。