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2010年09月30日
2位は薬品企業・海普瑞を率いる李[金里]一家、資産は400億元(約5010億円)。3位は製紙大手・玖龍紙業の張茵一家で、380億元(約4760億 円)。4位は大型機械メーカー・三一重工の梁穏根氏で、370億元(約4630億円)。資産額360億元(約4510億円)5位には検索大手・百度の李彦 宏氏と飲料・不動産・投資業を展開する華彬の厳彬氏がランクインした。
*上記記事はレコードチャイナに掲載されたもの。
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ワハハの宗慶後が中国一の大富豪に……。なんとも感慨深いものがありますね。この宗さん、トンデモない荒くれケンカ野郎なのです。
百度百科によると、宗慶後は1945年、杭州市の生まれ。祖父は張作霖の財政部長、父は国民党政府の役人だったとのこと。で、新中国成立後、家は一気に貧乏に。父は仕事がなく、小学校教師だった母が一家を養っていたとのこと。国民党政府の役人一家ですからさぞかし虐められたことでしょう。
1963年、中学校卒業後、宗慶後は農場で製塩の仕事に。文化大革命が終わった1978年に杭州市に戻ってきたとあるので、「下放」(知識分子を農村に送り込み、労働改造した運動)されていたんじゃないでしょうか。
で、人生が一変したのは1982年のこと。杭州市の大学企業で働き始め、87年には民営化の波に乗って企業請負に成功。確か缶詰を作る企業だったと思いますが。89年にはワハハに発展させ、中国トップ級の飲料メーカーに育て上げるという快進撃ぶり。
そのワハハに危機が訪れたのは90年代半ば。仏食品大手ダノンと投資会社・香港百富勤公司の増資を受け入れて乗り切ります(ダノンと投資会社、ワハハの3社が合資会社を設立するという形式)。ところが香港百富勤公司がアジア金融危機で倒産。その保有株はダノンが買い入れたため、ワハハ株の51%をダノンに握られてしまうことに。
そこから宗さんのケンカパワーの見せ所。ワハハの商標認可権は合資会社にしかないはずなのに、勝手に企業を作ってはワハハブランドの製品を販売。株式過半数を握るダノンにおしおきされそうになると、「民族ブランド・ワハハがダノンに制圧されそうになっているっ。立てよ!国民」と煽りまくり、世間を見方につけて抵抗。10年以上にわたる泥沼の訴訟合戦は昨年、完全決着し、ダノンがワハハ株を売っておしまい、と。
「This is チャイナリスク」のような邪悪な立ち回りを見せた宗氏。そのお人が中国一の大富豪になってしまうのですから、これはもうなんていっていいのやら……。