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命をかけて家を守るとの誓い
取材に答えた許主任の妻・馮広梅氏は、6日午前8時より、取り壊しに抗議する村民の家が武装警官に包囲され、家に閉じ込められていると明かした。裁判官は村民との補償金協議を行うと発言しているが、当局の狙いは村の若者たちを閉じ込め、取り壊しを妨害できないようにすることにあると村民たちは考えている。現在、包囲されているのは政府を訴えた8戸の村民宅が中心だという。また多くの家の前にはパトカーや政府の車両が並んでいる。村民の抵抗に対抗するべく、消防車も動員されている。
大事に発展するとは考えたくないが、もし政府が強硬な手段をとれば、大惨事につながることは間違いないと馮氏は話す。村民たちは手製のパチンコを作り、ガソリンを常備して戦いに備えており、また外地で働いていた一部の村民も帰ってきているという。政府の強硬な態度に村民たちは命を賭けて家を守ると誓っている。
馮広梅氏の証言によると、村民・馮文建氏の家では、数百人の武装警官が包囲。窓を破って侵入し、馮文建氏の家族を拘束した。また、張春瓊氏の家では武装警官と消防隊が窓から侵入。夫を拘束した。強制的な取り壊しはもう始まっている。馮文建氏の妻は、轟音をたてて倒れる我が家を見て、涙をこぼしたという。
違法な政府と法を守ろうとする市民
許主任の弁護を引き受けた鄭建偉弁護士は次のように話している。「北海市政府が白銀区で開発する土地は計3000ムー(約200ヘクタール)以上になります。法律では国務院(日本の内閣に相当、120ヘクタール以上の開発には国務院の認可が必要となる)の認可が必要です。北海市政府は6回に分けて申請することで、自治区政府の認可のみで開発を強行しました。土地管理法と条例に違反する行為です。また都市計画では法に準拠した公示が必要となりますが、これも守られていません。なにより重要な点は、村民自治に関係する法律に関する違反を市政府が繰り返していることです。」
「村民の要求は合理的なものです。私は5回、白虎頭村を訪ねましたが、海に面しているというメリットはきわめて大きなものです。旅行業に従事する村民の収入は1日1000元(約1万2500円)以上。ピークシーズンにはさらに多くの収入があり、豊かな生活を過ごしています。政府は彼らを海から離れた場所に移そうとしていますが、農業を知らない村民たちはどのように生活すればいいのでしょうか。市の利益のために、ほしいままに市民を移動させようとしているのです。一般市民は政府に法律に基づいて欲しいと話している。ところが政府は法律を無視している。今や村民たちも法律が助けになると信じてはいません。これは悲劇です。村民たちが反抗するまでに追い込んだのは政府なのです。」
「多くの問題は法律によって解決できますし、一般市民の問題は合理的に解決されます。社会問題も解決します。しかし今、市民が法律を頼ろうとした時、政府は強制的な権力を用いようとしています。私たち市民の権利擁護派弁護士の弁護が成功すればするほど、代理人に課される刑期は長くなる。まさに悲劇です。
太字強調はChinanews。
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銀灘は国家4A級観光地に指定された美しいビーチ。多分、売店用の土地を貸したり、飲み物や水着・浮き輪のレンタルで、白虎頭村の村民は結構稼げていたということのよう。しかし立ち退きにあたっては、だまし討ち的に契約を結ばれたばかりか、ビーチ利権を計算に入れない激安の補償金しか提示されなかったことで、村民は対決姿勢を固めたってことでしょうか。ビーチの権利をどう金銭に換算するかが結構みそだったのかもしれないですね。
「命をかけて家を守るとの近い」→誓い
でしょうか。