中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年10月13日
ネットユーザーもこうした事情を理解した上で、情報転載による支援を進めている。その中の1人である、ある高校3年生のツイッターユーザーについてご紹介したい。中学時代より日本アニメファンだった彼は、白虎頭村の情報を日本語に翻訳、ツイッターでつぶやき始めた。
「なぜ日本語への翻訳を始めたのか」と電話で取材したところ、「体が弱いので学校に行けず、家でツイッターをしていたところ、たまたま目についた。できることをやりたいと思った」と返答している。白虎頭村について日本のマスメディアは伝えていないが、彼のつぶやきをまとめたサイトにはすでに1万弱のアクセスが集まっている。つぶやきを見た日本人ブロガーが取り上げるなど、静かに広がりを見せているようだ。
中国国内で情報が広まるにつれ、中国のマスメディアも事件に注目し始めた。白虎頭村の問題は今春よりマスメディアから消えていた。規制があったものと思われるが、南方都市報などいくつかの新聞社が記事にしている。また記事にしないまでも、大手メディアの記者が現地に押し寄せたことで、市政府も強硬手段をとりづらくなっている。
馮広梅氏ツイッターには、「6月(10月の誤りか)12日。昨日、裁判所から土地収用協議にサインしていない3戸の住民に対し、強制執行の通知書が送られた。3日以内に明け渡すように要求している」(10月13日)との書き込みがあり、事態はいまだ余談を許さない。しかし、強引な立ち退きがやりづらくなったことで、補償金の引き上げなど交渉が行われる可能性も出てきている。(<3>に続く)