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住民運動の勝利には前例があった=白虎頭村の土地強制収用反対運動―広西チワン族自治区北海市<2>

2010年10月13日

ネット世論が地方政府の決定をくつがえした前例はわずかとはいえ存在する。2007年、湖北省武漢市では「史上最強の釘子戸」(釘子戸とは、まるで釘で打ちつけられたかのように立ち退きを断固拒否する住民のこと)と呼ばれる事件が起きた。周りを掘り下げられ、まるで塔のようになった敷地。ある種、ユーモラスにも見える事件は中国ばかりか、世界中の注目を集めた。最終的に住民は巨額の補償金を手にしている。

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* 写真は強制取り壊しに抵抗する白虎頭村の住民。となりにはガスボンベを置き、いつでも自爆できるようにしている。死に装束をまとっての一服。

同じく2007年には「アモイPX事件」があった。アモイ市が台湾のパラキシレン工場を誘致しようとしたところ、住民の反対運動に遭いついに建設地を変更したというもの。反対デモを行えば違法行為として処罰されてしまうため、反対派住民たちは「たまたま同時に」市庁舎前を散歩するという方式で、市政府に圧力を加えた。上海市のリニアモーターカー延伸計画も住民の反対運動の前に建設は遅れている。

ネットユーザーもこうした事情を理解した上で、情報転載による支援を進めている。その中の1人である、ある高校3年生のツイッターユーザーについてご紹介したい。中学時代より日本アニメファンだった彼は、白虎頭村の情報を日本語に翻訳、ツイッターでつぶやき始めた。

「なぜ日本語への翻訳を始めたのか」と電話で取材したところ、「体が弱いので学校に行けず、家でツイッターをしていたところ、たまたま目についた。できることをやりたいと思った」と返答している。白虎頭村について日本のマスメディアは伝えていないが、彼のつぶやきをまとめたサイトにはすでに1万弱のアクセスが集まっている。つぶやきを見た日本人ブロガーが取り上げるなど、静かに広がりを見せているようだ。

中国国内で情報が広まるにつれ、中国のマスメディアも事件に注目し始めた。白虎頭村の問題は今春よりマスメディアから消えていた。規制があったものと思われるが、南方都市報などいくつかの新聞社が記事にしている。また記事にしないまでも、大手メディアの記者が現地に押し寄せたことで、市政府も強硬手段をとりづらくなっている。

馮広梅氏ツイッターには、「6月(10月の誤りか)12日。昨日、裁判所から土地収用協議にサインしていない3戸の住民に対し、強制執行の通知書が送られた。3日以内に明け渡すように要求している」(10月13日)との書き込みがあり、事態はいまだ余談を許さない。しかし、強引な立ち退きがやりづらくなったことで、補償金の引き上げなど交渉が行われる可能性も出てきている。(<3>に続く

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