中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年10月17日
電子機器や省エネ製品などに広く使われるレアアース。中国は世界の輸出量の97%を占める「レアアース大国」だ。しかし、中国はその独占的地位に相応の発 言権や価格決定権をできないでいた。それというのも世界需要を上回るほどの産出を続けてきたため。1970年代以後、中国のレアアース生産能力は15万ト ンに達しているが、世界の需要はわずか10万トン。供給過剰により価格は1985年を下回る水準が続いてきた。
中国レアアース学会によると、現在も生産過剰は深刻な問題。今年、中国国土資源部はレアアースの採掘総量を8万9200トンに制限すると発表したが、中国 企業の精錬能力は20万トンを超えている。原料不足の企業は無認可の違法鉱山から購入している。その江西省のある都市では規定の採掘量は8000トン。しかし生産能力は4万トンに達している。80%は無認可鉱山産出のレアアースを使用している計算となる。政府は企業の合併再編による生産過剰解消を急いでいる。
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なぜ中国はレアアースの輸出規制をするのか?
独占的立場を利用して暴利を貪ろうとしているのか?
はたまた、戦略資源として世界に君臨するための武器か?!
と盛り上がっている人もいるかもしれませんが、この記事や過去記事で背詰めしたような、
乱開発、環境汚染、生産過剰、密輸出、価格低下…… Noっっっ!!!
みたいな悩みにさらされているのかな、と。実は石炭や製鉄業界なんかともよく似た図式ですね。