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午後4時ごろ。警察はデモ隊に街道口に向かうルートを取るよう説得。「みなさんの愛国の熱意は素晴らしい……」から始まる説得の文句。この時、デモ隊100人、警察1000人、野次馬2000人との実況あり。カシオ専売店が店を閉める。デモ隊は「日本製品ボイコット」のシュプレヒコールと国家とを繰り返し。
4時20分。デモ隊は東湖開発区バス停に到着。「わずか100人(で始まった)デモがこれほどの騒ぎになるのか」とのつぶやき。私服警官の説得に反し、デモ隊は湖濱花園ホテル前で停止。警察の壁を突破しようとする動きも。警察は拡声器で「指導者は後で責任を取ることになる」と脅し。突破しようとするたびにデモ隊からは拍手と歓声が上がり、国旗が振られる。
4時50分ごろ。体育学院方面にデモ隊は集結。路上には日本車も多いが、デモ隊は滋賀にもかけない。警察は体育学院入り口を封鎖。歩道を移動するためデモ隊の動きは鈍い。5時30分。警察は大型バスで(デモ隊の行く手の)道路をふさぐ。学生を乗せて移動させる腹づもり。
5時36分。卓刀泉立体交差橋下にデモ隊は到達。20メートル移動するたびに止まるようなのろのろとした移動。デモ隊の叫び。「野次馬お断り。良心ある中国人は立ち上がれ。」
5時57分。7人の学生が(警察の)車に乗せられた。一部で警察とデモ隊が押し合いへし合いに。デモ隊からは解放しろと叫び声。
18時18分。だいたい終わり。道路脇で学生を説教する警官。しかし穏やか。最後は敬礼してお別れ。デモに過激な行為はなく、せいぜい押し合いへし合いまで。車を破壊したというのはデマ。
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学生中心でスタートし、野次馬が参加するところまでは綿陽市(過去記事)と一緒。しかし、今回は激化することはなかった。警察が相当数を動員したことが大きかったようだが、日本車を見ても感情的にならなかったり、律儀に歩道を歩いたり(笑)と自制が聞いていた部分も大きかったのではないか。
今日、天津の友人から「17日には天津でもデモが予定されていたが、当局に阻止された。当日はガードマンの数が増やされるなど、通常よりも警備が強化されていた」との話を聞いた。深圳のデモが当局に制止されたという話もあったが、相当数の都市で計画され、沿海の主要都市では制止されたということだろうか。
今後もまだデモの予定がある都市が残っているが、習近平の軍事委員会副主席をめぐる権力闘争の手段として、デモが用いられたのだとすれば、今後のデモは中止で終わるのだろうか。足りない頭をひねって考えて見たい。