中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年10月21日
日産の新工場建設は、日本製造業のタイ進出ブームの象徴的存在。日本企業にとって、タイの魅力はもはや安価な労働力ではなく、その戦略的位置にある。5億5000万人の東南アジア市場にアクセスする拠点というだけではなく、中国市場、インド市場に進出するためのジャンプ台としてタイは注目を集めている。
日本貿易振興機構(ジェトロ)の統計によると、今年上半期、日本の対アジア直接投資はほぼ半減しているが、タイへの投資だけはなお前年同期比42.5%と大幅な成長が続いている。今年上半期の投資額は13億ドル(約1050億円)、過去15年間の累積投資額は215億ドル(約1兆7400億円)に達した。外資のタイ投資のうち40%以上が日本企業のもの。欧州の2倍以上、米国の10倍に達している。その多くが自動車製造業と電子産業に集中している。
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NHKスペシャルの「灼熱アジア第1回 タイ “脱日入亜”日本企業の試練」がこんな話でしたね。Nスペは中小企業メインでしたが。
ASEAN内部のFTA、中国とASEANのFTA、そして今後結ばれるであろうインドとASEANのFTA。これらの市場が統合された後、人気の外資投資先が決まっていくのでしょう。
判断材料は、労働コストに加えて、教育、インフラ、政治の腐敗と安定といったところでしょうか。タイ、インドネシアあたりはその意味でまずまずの条件を備えていそう。
まあ、もっとも中国が「FTA?聞いたことねえなぁ」とか、「本当にタイで作ったの?検査するね」「早いとこお願いします。客待ってるんで。」「慌てない慌てない、一休み一休み」とか、嫌がらせする可能性もあるっつーか、FTAまじめに運用する気があるのかは、ちょっと見ていかないとダメかなとも思いますが。