• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

次期5カ年計画提案発表=住民所得の向上による「富民」を目指す―中国

2010年10月29日

2010年10月27日、中国共産党中央委員会は第12期5カ年計画(2011~2015年)提案を発表した。住民収入全般のやや早い向上を目指すことが強調されている。28日、米ラジオ局ボイスオブアメリカが伝えた。


SV100731 / shizhao


提案では「都市・農村住民主従のやや早い成長」が次期5カ年計画の主要目標の一つとして提案された。「経済成長に平行しての住民収入向上の実現、労働生産性向上に伴う労働報酬の成長、低所得者収入の明らかな向上、中収入層の拡大、貧困人口の明らかな減少、人民生活の質と水準の飽くなき向上に努力する」との目標が示された。

次期5カ年計画策定にかかわった清華大学の胡鞍鋼(フー・アンガン)教授は、「強国」から「富民」へと中国政治指導者の統治理念が転換したことを意味する
と説明した。1954年、毛沢東は強大な社会主義工業国の建設を呼びかけたが、トウ小平時代にいたって「小康社会」(衣食住が一定水準に達した社会)を目
指す「富民」の目標が掲げられた。そして、次期5カ年計画では「富民を達成して始めて強国となりうる」とさらにこの思想が徹底されたという。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

胡錦濤時代が到来した時も「経済重視の江沢民時代で開いた格差を手当てすることが課題だ!」なんて言われていた記憶がしますが。「和諧」(調和)というキーワードももともとはそういう意味のはずだったのですが、気づけば「和諧」はネット検閲による削除をを指すネットスラング「河蟹」(和諧と似た音)になっていたり。

格差、汚職、低所得層の収入引き上げ、医療保険、年金
。このあたりは絶対に取り組まないといけない問題なので、そりゃまあ目標には書き込まれるでしょうなぁというのが素朴な感想。問題は具体的に何するのか、利益集団の抵抗をはねのけてできるのかにかかっているわけで。

第12期5カ年計画は最初の2年が胡錦濤、その後の3年を習近平が受け持つわけであります。これまでうまくできなかった胡錦濤はもとより、共産党元勲のパパを持ち、共産党指定の財界人と仲良しグループ(太子党)に所属し、財界とのつながりが強い江沢民グループと近い関係にあり、軍部と太いパイプをキンペーに、そんな改革ができるわけないだろ、と思ったり。

第13期もきっと「市民生活向上!」みたいな文言が組み込まれ、「大転換やでー」と騒がれるんじゃないかなぁ、と早くも5年後を予想してみました。

*上記記事はレコードチャイナの許可を得て転載したものです。

(Chinanews) Twitterアカウントはこちら
*記事についての情報や間違いなど教えて頂けると大変助かります!コメント欄か、メール(kinbricksnow●gmail.com、●を@に変えてください)でお願いします。


<関連記事>
Kinbricks Now:中国の新たな目標は「包容的成長」か=胡錦涛主席が提唱―中国誌

Kinbricks Now:「中国大使館が日本に感謝」の記事、ネット検閲で削除=対日政策転換めぐり中国政府内部で路線闘争か

Kinbricks Now:「健康北京人計画」の切り札登場!北京市でラジオ体操が復活

Kinbricks Now:「中国大使館が日本に感謝」の記事、ネット検閲で削除=対日政策転換めぐり中国政府内部で路線闘争か

Kinbricks Now:中国が世界一のエネルギー消費国に=IEA統計に中国政府は反論

コメント欄を開く

ページのトップへ