日本でもだいぶ有名になってきた中国のネット検閲。
自動化されたコンピューターシステムである金盾がよく知られているようですが、
人力での検閲も並行して行われています。
*RFAの報道。先日、中国の大手人材募集サイトにマイクロブログサービスの検閲スタッフ募集広告が掲載され、話題となりました。
11月3日付米ラジオ局「ラジオ・フリー・アジア」(RFA)中国語サイトがまとめ記事を書いているので参照します。
11月2日、人材募集サイト「Zhaopin.com」に掲載されたのは、「マイクロブログサービス編集者」募集の広告。なんと50人もの大量募集です。内容はというと、
・勤務地:天津
・職責:企業の情報安全、新浪ブログ、新浪動画ブログ、新浪掲示板、新浪圏子を全面的に監視し、違法・不良情報が出現しないかを監視。通報の電話・メール及び監視当局の監視下にある全ての製品の通報体制を通じて、ネット上の不良情報を取り締まる。
というもの。ここ1~2年、ネット検閲は強化されていますが、劉暁波のノーベル平和賞受賞後、さらに厳格化された印象があります。というわけで、人手が足らなくなったのかな。
特にリアルタイムで情報が行き交う「マイクロブログサービス」のチェックは大変でしょうね。本当かどうか知りませんが、以前中国のネットで見かけたネタとして、「
肌色の比率が40%を超える画像は肉眼でチェックされる」とのこと。山のような画像を見ては「OK、OK、エロ、OK……」と検査し続けている人がいると思うと、ちょっと笑えますね。中国のマイクロブログサービスでエロ画像を送っているあなた、きっちり誰かに見られてますよ!
ちなみに。なんで「肌色率40%以上の画像は全て削除」というふうに自動化できないのかというと、誤認識が多すぎるからではないかと。以前、話題になった中国当局お墨付きのフィルタリングソフト「グリーンダム・ユースエスケート」は自動的に肌色画像を弾いたそうですが、我らが毛沢東主席のドアップ画像まで「河蟹」(中国のネットスラング。「和諧」のかけことばで、ネット検閲による削除を指す)してしまったのだとか。
*北京市天安門の毛沢東肖像画。
やっぱり人力での検閲が一番。
中国政府のネット検閲は雇用確保に大きく貢献しております。
(Chinanews)
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