8日夜、日本代表の快勝で幕を開けた広州アジア大会（開幕式は12日、サッカー予選が先行して開始）。

このアジア大会、1994年の広島大会はなんとなく覚えているのですが、それ以外の大会はどこであったのかなど、あまり記憶に残っていません。なんだか地味な大会というイメージですが、今回の広州大会は違います。


*街中には装甲車。

北京五輪、上海万博とビッグイベントが続くなか、どうも影が薄くなりつつある広州が招致した一大イベントという位置づけ。2008年まで中国に住んでいたのですが、広州アジア大会カウントダウンイベントなんかもあったりして、「おいおい、そこまで力を入れることだっけ」と驚いたことを覚えています。

というわけで、五輪、万博に負けない「不思議なこと」がいろいろ起きているようで。ネタをためていたのですが、一応大会が始まったということで一挙ご紹介。

・包丁が買えない？！
刃物の購入には身分証と実名登記が必要に。包丁が欠けたから新しいものを買うというわけにはいきません。私のおぼろげな記憶では北京五輪開催中の鼓楼殺人事件をきっかけに導入され、上海万博にも応用されたんじゃなかったか、と。

関連するジョーク・ツイートを一つ。

万博が終わって、父さん母さんは抱き合って泣いて喜んだよ。ようやく包丁が変えるって。お父さんが包丁をダメにしちゃってから、実名制が面倒でずっと買えずにいたんだ……。

他にも「小包郵送は実名登記が必要。アジア大会会場やホテルに送る場合には身分証の確認が必要」とか、「たこ揚げ、伝書鳩の禁止」「建設現場宿舎に労働者以外の人間を泊めることを禁止。労働者も生命、身分証番号などを毎週報告すること」といった規則も。

・「110番禁止」、違反者には罰金
広州市番禹区大石鎮の旅館街に貼られていた警察の通知。「アジア大会開催期間中はなるべく110番をしないこと。違反者には500元（約6000円）の罰金。2回目以降は1000元、1500元と加算される」という驚くべき内容。「忙しいから邪魔すんな」ってことでしょうか。大石鎮全体に適用されるのか、旅館街に限定されるのかは不明。

・市内の工事禁止
11月1日から50日間、市内全域で工事が禁止されるとのこと。なお労働者が文句を言わないようにとのはからいか、1カ月以内の作業停止は通常の給与支払い、1カ月以上の場合は最低賃金の80％を支払うようにとのお触れ。

・市内の車をぴかぴかに
11月1日から10日まで市内道路及び公共施設の政争キャンペーンが開始。さらに11月6日から12月27日までは広州市内の出入り口31個所に検問を設置。市内に入る車を点検し、汚い場合には無料洗ってあげることを決定。

・渋滞緩和にナンバープレート規制
11月1日より渋滞緩和のための規制が発行。エコ基準を満たしていない車の通行が全面禁止されたほか、基準を満たした車でも午前7時から午後8時までの間は、ナンバープレートの末尾が奇数か偶数かによって通行できる日が制限されることに（つまり2日に1日しか車は使えない）。また一部にはアジア大会専用車線も確保された。

・公共交通機関が無料に
マイカーの使用を制限したかわりとして、11月1日より公共交通機関が全て無料に。市民も旅行客も誰でも無料で自由にバス、地下鉄が利用できる。素晴らしい制度だ！と思いきや、人々が殺到しバスや地下鉄は大混雑。

・やっぱり無料はやめた！
6日夜、市政府は「公共交通機関無料はやめます。正直すまんかった」と発表。かわりに各世帯に150元（約1800円）の現金を支給。このお金で公共交通機関に乗ってねとのことだろうが、現金で支払った使い道は自由だし。マイカーじゃなくて公共交通機関を使わたいという意図もどこかに消えているし。なんだったんだ、一体……。

・政府「100万ドルの夜景を演出しようぜー」ネットユーザー「やーだよー」
12日夜は開幕式。美しい夜景を演出しようと、市政府は市民に家の明かりをつけるよう要請。これに反感を持ったネットユーザーが「12日午後5時から12時までエコ消灯だっ！」と呼びかけ。

・80万人の警備体制！
ボランティア15万人に武装警官、警察、保安管理員、公務員、国有企業従業員、借家管理員、道路清掃員、路線バス従業員、タクシー運転手など足して83万3000人の警備人員がっ！ってこれ全部足して意味あるの？

・総費用は14兆円！南アW杯5回分！
総費用は1200億元（約14兆4000億円）。会場建設費、運営費、都市の美観・環境改善（いわゆるメンツ工程）などなど。南アW杯5回分の費用とのこと。でもご心配なく！たった1200億元の投入でGDPを8000億元（約9兆6000億円）押し上げるとの試算がっ！まじで？！

といった感じです。他にも「不思議なこと」があろうかと思いますので、気が向いたらコメント欄に書き込んでいただけると幸いです。

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