中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年11月10日
中国語で“光棍”は「樹皮を剥いて作られた棍棒」を意味し、これでは後世に樹木の子孫を残すことはできないことから転じて「独身者」を表す。これに「節句」とか「記念日」を表す“節”を付けて、“光棍節”は「独身者の祭り」を意味するのである。今では恋人いない人々が集結し、わいわい騒ぐといった過ごし方が多いもよう。
“光棍節”の起源には諸説ある。1990年代に南京の大学生たちが恋人のいない“光棍(独身者)”をからかって“光棍”を祝う祭りを行ったのが始まりで、これらの大学生たちが卒業して社会に出たことで世間に広まったというのが通説である。それが2000年以降徐々に社会に定着するようになり、2005 年頃からは全国的なものとなった。
今では中国でも“情人節(バレンタインデー)が定着し、2月14日当日に向けて「愛の告白グッズ」の商戦が盛んだが、これと同様に11月11日の “光棍節”が近付くと「独身者」を対象とする特売広告が氾濫し、商店やネットショッピングで激しい販売競争が展開されるのである。
では、何で11月11日が“光棍節”となったのか。その理由は簡単で、11月11日には数字の「1」、即ち「棍棒」が4本もあるからである。
独身者集まれ!大盛り上がりの“光棍節”(北村豊の「中国・キタムラリポート」日経ビジネスオンライン)
*太字はChinanews
でもまあ、独り身は寂しいわけで。11月10日付斉魯晩報が取り上げているのは、ある女子大生のネット掲示板の書き込み。「みんなカップルなのに私だけ一人なのは寂しい!一緒に光棍節を過ごしてくれる人を募集中!費用は全て割り勘で」だそうで。逆に「光棍節お付き合いします。時給8元(約96円)から」なんて書き込みもあったり。
中国版ツイッター・新浪微博を見ると、「あー、今年で22回目の光棍節か…」とか書き込みながら自分の写真を載せているつぶやきがちらほら。絶対に誘われるのを待っているな(笑)。こういう時、「一人なんだけど、一緒に遊ぼうよ」と積極的に言える人が勝つんですよね~。許さん!
こちらは中国国際放送局の紹介記事。
トップの写真には「福建省福州市内の公園でのお見合いイベント。子供の代わりにお見合いに行く親の姿も数多く見られる」とのキャプション。履歴書をひもにつるされた中国式お見合いイベント会場に訪れる、仲むつまじいご夫婦の姿……。なんだかなぁ。
さて、近年、中国ではバレンタインにハロウィーン、クリスマスと洋物記念日が人気を博していますが、「楽しい記念日はたくさんあったほうがいいじゃん」という民草の声は表向きであり、経済的利益に突き動かされた企業ががんがん宣伝しているがゆえだと感じています。「汝、資本主義に毒されるなかれ」ですよ!
いろんな店が「光棍節」のセールをやっておりますが、ツイッターで話題になっていたのが中国最大のネットショッピングモール(の座を最近、楽天中国に奪われた?)タオバオ商城。数量限定ながら11日午前0時より50%オフのセールを実施。目玉はiPadだそうで、ある中国ツイ民は「やべ、限定20台しかない。がんばるしかないっ!」と気合いを入れていました。これだけ燃えることがあるならば、独り身の寂しさとか関係ないねっ。
さて、モテないやつらが慰め合う記念日といえば、やはり有名なのが韓国のブラックデー。
大韓民国で4月14日に行われる一種の記念日である。バレンタインデーやホワイトデーで贈り物を受け取れずそのまま恋人ができなかった者同士(ソロ部隊、솔로부대)が黒い服を着て集まり、黒いあんが特徴のチャジャンミョン(韓国風炸醤麺)やコーヒー(ブラック)を飲食する日、とされている。バレンタインデー、ホワイトデーで付き合えなかったら寂しくブラックデーという三連コンボもさることながら、1月から12月まで毎月14日には「**デー」が用意されている韓国がすげぇ。
ブラックデー(Wikipedia)
* ダイアリーデー(1/14)うーむ、どう見てもやりすぎ。近年、急速に「**節」を増やしている中国も韓国に追いつくのにはまだまだ時間がかかりそうです。
* バレンタインデー(2/14)
* ホワイトデー(3/14)
* ブラックデー(4/14)
* ローズデー、イエローデー(5/14)
* キスデー(6/14)
* シルバーデー(7/14)
* グリーンデー(8/14)
* ミュージックデーフォトデー(9/14)
* ワインデー(10/14)
* オレンジデー/ムービーデー(11/14)
* ハグデー(12/14)