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中国官僚の本音を聞いてみよう!経済成長の秘訣は庶民の土地を巻き上げることにあり

2010年11月14日

本ブログでもさんざん話題にしている中国政府の土地強制収用問題。一般市民の怨嗟の声がこだましまくっているわけですが、中国の官僚はそれをどう受け止めているのか。よくわかる話があるのでご紹介。


鸟巢 / Chang'r

·*北京五輪メインスタジアム、通称「鳥の巣」。同スタジアムの用地取得でも強制収用が行われた。
最近話題となったのが江西省宜春市万載県の陳暁平(チェン・シャオピン)委書記の失言。中国社会科学院農村発展研究所の于建嶸(ユー・ジエンロン)教授が700人以上の公務員を集めた講演会で、一般市民住宅の取り壊しをなるべく避けるよう訴えたところ、陳委書記は「もし取り壊しをしなかったら、君たち知識人はどうやって飯を食べていくんだね」と発言した。


于教授はこの発言をネットで公開したところ、たちまち話題となった。さらに「北京に正常ではない陳情を行う者には、1回目は訓告と罰金、2回目は勾留、3回目は労働教育だ」との、陳委書記のある会議での発言も暴露され、大変な騒ぎとなった。

絶大な権力を誇る中国悪徳官僚、でもインターネットが怖い―台湾紙(レコードチャイナ、2010年11月14日)

過去記事で取り上げた「強制取り壊しがなければ新中国はない」とちょっと似ていますね。

今年9月、中国中の注目を集めた強制土地収用事件が江西省宜黄県で起きている。県政府の強引な手法に抗議する住民3人が焼身自殺を図り、1人が死亡した。自殺にまで住民を追いやった当局の手法は厳しく批判され、宜黄県共産党委員会書記と県長が罷免される事態に発展した。

(…)

(2010年10月)12日、財新網に興味深い記事が掲載された。上述の焼身自殺事件が起きた宜黄県の官僚が投稿した論文だ。強制取り壊しは地方政府にとっても望むものではないが、やむをえなかったとして、こう主張している。「強制取り壊しがなければ、中国の都市化はない。都市化がなければ、各地の「新たな中国」はない。すなわち強制取り壊しがなければ『新中国』はないと言えるのではないか?」、と。
陳暁平委書記にせよ、論文を寄稿した宜黄県の官僚にせよ、「俺たちは民のためを思っているのだ」とパフォーマンスを繰り広げている人(パフォーマンス大好きな温家宝首相などは皮肉を込めて「影帝」(俳優王)と呼ばれています)たちよりもよっぽど素直なんじゃないか、と。

「がんがん土地を更地にして、インフラ施設を、工場を、商業施設を、新たな住宅を造ることで、中国は発展してきたじゃないか。おまえら研究者も公務員。国の景気よくしないと給料あがらないでしょ」という本音。

中国の官僚は今の経済成長の源泉、とりわけ地方経済の成長エンジンがなんなのか正確に把握しているんだなぁと思ったり。ただ、昨今続く自殺を含む住民の抗議活動、暴動なんかを考えると、従来の成長モデルは限界に達しつつあるのではないかとも私は思っているのですが、「いやいや、まだまだいけるぞ」というのが陳委書記に代表される一部地方官僚の考えなんでしょう。

でも、本当に?まだ続けられる?続けていいの?

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<過去記事>
Kinbricks Now:ネットを駆使して戦う人々=白虎頭村の土地強制収用反対運動―広西チワン族自治区北海市<1>

Kinbricks Now:【動画】土地収用に抗議の焼身自殺か=警官隊に囲まれる中、自らの体に火を着けた……―中国・黒竜江省

Kinbricks Now:中国7億人の農民が怯える「新農村建設」=中国各地で農民暴動が頻発する背景とは―中国

Kinbricks Now:<続報>「城攻め」喰らった立ち退き拒否住民、ネットパワーで当局に勝利か―中国・雲南省

Kinbricks Now:<日中GDP逆転>中国成功の秘密と未来の不安―謝国忠論文(1)

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