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「これ経費で落ちますか?」交通事故賠償金を公費で支払うセコすぎ官僚登場―中国・河南省

2010年11月15日

中国ではお役人、またはその子弟が起こした交通事故をきっかけに暴動騒ぎがおきることがしばしばあります。最近、大変な話題となったのが李剛事件。交通事故を起こしたバカ息子が逮捕される際、「僕のパパは李剛だぞ」と叫んだ香ばしすぎるエピソードが話題となった(父・李剛は河北省保定市北市区公安分局副局長)。

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写真は西峡恐竜卵遺跡園。新浪網の報道。


今回、ご紹介するエピソードはきっちり賠償金を支払うなど李剛事件とは違うのだが、別の意味での香ばしさが漂っている。2010年11月15日、大河網が伝えた。


A2739 / SamCheong


事件が起きたのは9月26日、河南省南陽市西峡県の西峡恐竜卵遺跡園入り口付近。西峡県気象局の禹相傑局長が運転する車が交通事故を起こし、付近を歩いていた農民が死亡した。史淑茹(81歳)さんとその孫・袁蔭(2歳)さん。それに王小女(56歳)さんの3人。禹局長はこの日、南陽市気象局の幹部を観光に連れて行くため、公用車で移動中だった。

事故後、禹局長は遺族と賠償協議を取り交わし、63万元(約756万円)の支払いで合意した。が、香ばしいのはここから。賠償金のうち、禹局長自身が支払ったのは15万元(約180万円)のみ。残る金は西峡県気象局が28万元(約336万円)、南陽市気象局が20万元(約240万円)と公費で支払ったのだという。

10月15日、ネット民「民心何求」はネット掲示板で事の次第を暴露。「官僚の禹が私用で公用車を使うことはすでに規則違反。それなのに交通事故の賠償費用まで公費で支払うとは。中国政府の政策も禹の前には空文になってしまうのか?」と皮肉った。

それから1カ月、騒ぎは大きくなり、注目するネット民の数が増えていった。15日付雲南信息報によると、先日、取材に答えた南陽市気象局の副局長は問題を認め、禹局長の「停職審査」が行われているとコメントした。なお上級官僚が仕事の合間に観光することは慣例であり、禹局長を帯同させたのは入場チケットの価格について便宜をはからせるためだったと話している。
権力を振りかざして、「謝罪はしない!金も払わん!」と断言。さらには暴力団を呼んで抗議する人を殴らせる……。

といったわかりやすい悪行とは違うのですが、せこく「賠償金、経費で落としまーす」とやっているのがなんとも。ひょっとして領収書切ってもらったんでしょうか?

またエラい人を観光(恐らく恐竜卵遺跡園)に連れて行くのに、「チケット値切り要員におまえ来いや」と県局長を連れて行くのもすごすぎる……。チケット代は1人90元(約1080円)とのこと。中国の物価からすると高いですが、県局長を1日拘束するコストを考えるとえらく非効率な気がするのですが……。

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