2010年11月15日、上海市静安区の28階建て高層マンションで火災が発生、ほぼ全焼した。すでに8人の死亡が確認されている。
新華網が伝えた。
火災が発生したのは、上海市静安区膠州路の28階建て教員住宅用マンション。外壁工事がが行われている最中だった。14時ごろ、外壁を囲む足場から火が上がった。火災は午後の間続き、付近のビルの延焼も心配されたほどだった。18時半現在、基本的な消火に成功。消防隊員が屋内に突入し、生存者を捜している。すでに死者8人が確認されたほか、30人以上が治療を受けた。



*写真は新華網の報道。
火勢はほぼ鎮圧されたとはいえ、現在、捜索作業が続けられており、最終的な被害がどれほど拡大するかはなお不透明な状況にある。今回の事件で改めて浮き彫りとなったのが、中国の大都市に続々と立てられている高層ビルの危険性。
はしご車でも高層ビルには届かない。ビル火災では連結送水管などを通じて水をビル内に送り込み、内側から消火するのがセオリー。だが消防隊員の移動経路が用意されていないなどの問題から、実際の消火活動の難易度は高いという。
こうした問題は先進国でも同じだが、急速に高層ビルの数が増えた中国では、十分に問題が認識されていないという。また消火対策に加え、そもそも火事の予防が十分に出来ていたかも気になるところ。今回は足場からの出火となったが、何が火災の原因だったのか、究明が求められる。
高層ビルの火災といえば、2009年2月の北京CCTV新社屋付帯ビルの火災がまだ記憶に新しい(参考リンク)。花火が原因でビルがまるまる1棟全焼するという惨事となったが、果たしてその教訓は生かされていたのだろうか。
*追記(2010年11月16日午後1時44分)
死者数は53人にまで増加。
(Chinanews)
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