2010年11月16日、広東省珠海市で第8回中国国際航空宇宙博覧会が開幕した。
目玉は中国独自開発の商用中型旅客機C919だ。
*新浪網の報道。15日、珠海市で展示された原寸大模型。開発メーカーは中国商用飛機有限公司(COMAC)。90席のコミューター機・ARJ21に続いて、190席の中型機C919の開発も進めてきた(
ウィキペディア「ARJ21」)。中型旅客機は中国国内線の主力となるだけに、
航空市場獲得を目指す「本命」の登場と言えよう。C919のCはチャイナを意味すると同時に、
エアバス(A)とボーイング(B)と鼎立しうる第三勢力を目指した意欲的なネーミングだという。

*写真は解放日報の報道。C919原寸大模型の内部。
2012年に初飛行、2016年に鉱区会社への引き渡しが計画されているC919だが、今回の航空宇宙博覧会で早くも100機の発注があったという。中国航空、中国東方航空、中国南方航空、海南航空の中国民間航空企業4社に加え、国銀金融リース有限公司と米GEの航空機リース部門であるGECAS社が契約を交わした。
民用航空機開発の実績には乏しい中国だが、2029年までに新たに3万機以上の民用航空機(貨物機含む)需要があるという巨大市場、衣料品など低利潤の労働集約産業から高度な技術を必要とする高利潤産業への転換を目指す政府の支持を背景に、中国航空機産業が成功する可能性は高いと見られている。
巨大な国内市場と政府の支持。翻って日本を見れば、中国の優位性はそのまま日本の弱点となっている。三菱重工業が開発している小型旅客機MRJは2013年より運用が始まる予定だが、現時点での発注数は125機にとどまっている。うち100機が米企業の注文。日本国内の発注数はわずか25機に過ぎない。一方、MRJのライバルとなるARJはすでに240機もの受注を集めている。技術面ではともかく、市場という面から見れば、日本航空メーカーはすでに大きなハンデを背負っている。
(Chinanews)
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面子ばかりを重要視して安全を切り捨て見栄を張る。
SQNYとかいい加減なものを作っても大したこと無いけど、高層ビルやジャンボジェットとかは不安が一杯です