中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年11月17日
中国新聞網の記事は「浙江省義烏市で富二代(金持ちのぼんぼん)が暴走し衝突=私たちは喜ぶべきなのか?」というタイトル。この富二代の車遊びはなにげに社会問題となっています。
もっとも有名な事件は昨年5月に起きた「70マイル事件」。レースもやっている車好きのぼんぼんが死亡事故を起こしたというもの。「20メートルは吹き飛ばされた」という証言があるにもかかわらず、事故車の速度は時速70キロだったと警察が発表(70マイルは警察発表時、単位を俗称で発表したことに由来する)。そんなはずはないだろ、金持ちの息子は人一人ひき殺してもかばわれてたいした罪にならないのかと人々が怒り狂い、最終的に警察が謝罪したという騒ぎでした。(参考記事)
事件はさんざんネットでネタにされ、ついには伝説の妖怪「欺実馬」(70マイルと似た発音)が誕生することになったり(互動百科)。人を食い殺す悪魔のような存在だそうですわ。
夜間の道路が空いている時間になると、アホみたいな速度で高級車をかっとばす富二代の姿はなにげによく見かけるもの。世界最大の卸売市場がある義烏には昨年訪問したのですが、ナイトクラブの前には高級車がバッチリ止めてあり、「あー、ぼんぼんが多いのだな」とすぐにわかりました。
いつもならば、一般市民が犠牲になる事故ばかりなのに、今回は金持ちのぼんぼんだけが怪我をするという事件。中国新聞網の記事タイトルは「あれ、これなら喜んでもよくね?」という記者の本音が込められています。
*追記(2010年11月18日)
当初、「ベンツ」と表記していましたが「BMW」の誤りでした。ご指摘いただいた「通りすがり」さん、ありがとうございました。
*写真は中国新聞網の報道。