中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年11月19日
この結果にタイ外務省は「実態とは違う」と反発しています。7位より上位にはもうアフガンやパキスタンなどの国しかありませんが、在住邦人の方も実態とは違うと感じられるのではないでしょうか。ただ数字にするとこういう結果になってしまうのかもしれません。
そしてもう一つのニュースは、国家予算からの地方への災害被害支援金の分配について、野党議員がアピシット首相に対して説明するように求めている話題について。
先日洪水被害支援金が、12月12日に補選が行われる地域に重点的に分配されているという話題をお伝えしましたが、今回問題になっているのは、今年タイ国内での水不足が深刻になった際に緊急支援として組まれた総額8億7300万バーツ(約24億4000万円)の予算。
水不足に悩む各県に数千万バーツずつ配分されているのですが、その中でなぜかブリラム県だけが総予算の半額以上となる4億8600万(約13億6000万円)バーツ。ブリラム県と言うと、あのネーウィン氏(左)の地元です。ネーウィン氏と言うとタクシン派から30人に登る議員を引き連れて寝返り、アピシット政権の立役者と言われています。
逆に取ればネーウィン氏がタクシン派に戻る事があれば現政権を維持できない事から、運輸利権や先の内務省人事等も含め、事実上与党民主党は彼の要求を全て飲んでいる感さえあります。
来年に予定されている総選挙を睨んでネーウィン氏の要求はさらにエスカレートすると考えられますが、この件をアピシット首相がどのように説明するのか見物です。