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【孔明の罠】ド田舎で本当にあったリアル仁義なき戦い―中国・雲南省

2010年11月21日

2010年11月20日、午前9時。

雲南省紅河ハニ族イ族自治州瀘西県旧城鎮の小松地炭鉱に30台以上ものワゴン車が押し寄せた。車から降りてきた男たちは、手に大きな刀や鉄パイプ、棍棒を握りしめていた。



「兄弟、おまえはやりすぎたんや。」

鄭春雲はそうつぶやくと、くわえていたタバコを吐き捨てた。もともと小松地炭鉱は、鄭が経営する躍進炭鉱の通風口でしかなかった。後に採掘口として転用されるようになり、別々の炭鉱となったが、いわば同じ一家だったのだ。

しかし、近すぎた関係は逆に不幸を招いた。両炭鉱の坑道はいたるところでつながり、石炭をめぐって両者の関係は悪化していた。今日という今日は許すことはできない。決着をつけるため、鄭はこの地にやってきた。

「やれ。」

鄭の号令一家、男たちは手近にあったタコ部屋に躍り込んでいく。だが、その勢いは空回りすることになる。小屋の中はもぬけのからだった。

「どこに行きやがった……」

そうつぶやく鄭の鼻が、嗅ぎ慣れたあの臭いをとらえた。炭鉱ではいつも漂っているあの火薬の臭いだ。





「しまった!これは孔明の罠だ!」


時既に遅し。轟音と爆風に巻き込まれ、意識が遠のく中、郭は小松地炭鉱のボス・王建福が高笑いしている姿を確かに見たのだった。。。

20101120_Jinginaki
雲信網の報道。上は爆発で吹き飛んだタコ部屋。下は負傷者。

というわけで、下手な小説まがいを書きたくなるほど、妄想をかき立てられる凄まじいニュースがあったのでご紹介。2010年11月20日付、雲信網が伝えました。

基本的にお話の筋書きは上の「小説まがい」どおり。もともと1つだった炭鉱が別の経営者に分かれ(一家は言い過ぎですよね)、内部では坑道がつながりまくり、資源争いの末に武器を持っての殴り込みに発展。ところが待ち構えていた小松地炭鉱が、「孔明の罠」こと爆弾で応戦。笑い事どころではなく、9人が死亡、48人が負傷しています。なお鄭と王を含めて10人が拘束され、警察に取り調べられているとのこと。

11月20日付生活新報もこのニュースを扱っているのですが、素晴らしい下りがあるのでご紹介。

瀘西県では、こうした炭鉱争いは非常に多い。炭鉱経営者の悪事も日常茶飯事。通常は話し合いで手打ちとなるが、失敗すると県国土局が炭鉱の境界線を決める。

(…)

死者の中にはおそらく炭鉱労働者はいなかっただろう。通常、彼らは経営者間の争いに加わることはない。仕事のない若者が経営者のボディーガードになっている。
普段から抗争しまくり?!

手打ちは現地政府が担当?!

とまあ、雲南省の片田舎ならこんなものとは想像しつつも、新聞記事という形で読むと改めて衝撃を受けたり。うーむ。9人もお亡くなりになっているので笑えないのですが、あまりにも妄想をかき立てられる話。竹内力主演で映画化して欲しい……。



(執筆者:Chinanews) Twitterアカウントはこちら
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