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2010年11月17日、広州アジア大会女子テコンドー49キロ級予選で、台湾代表の楊淑君選手が試合を圧倒的有利に進めながら、試合終了12秒前に反則負けを宣告されるという事件が起きた。台湾でも事件は注目されている。ネットユーザーは主審が「韓国系フィリピン人」だったことに注目。「韓流ドラマを見るな、キムチを食べるな」などの韓国製品ボイコットを呼びかける声も上がっている。という内容ですが、こんなことに。
国旗を燃やされ、韓国製インスタントラーメンを踏みつぶし……
どーしてこうなった?!
でもってでもって、
「楊淑君事件が反韓感情を誘発=韓国外交通商部は正式表明」(11月21日付華億星空)
外交問題になってるし?!
前回の記事を読んでいただけると分かると思うのですが、主審やテコンドー連盟の対応に正直、なんかの問題があったとは思えません。そりゃ試合開始時に主審が気づけばよかったとは思いますけどね。そこまで怒ること?
日本だと、2000年のシドニー五輪柔道100キロ超級決勝での「主審がツバメ返しを見逃して篠原敗北事件」(ウィキペディア)とか相当盛り上がったけど、仏産ワインを投げ捨てたりとかはしなかったと思う。多分。
ここで、「台湾の人は韓国が前々から嫌いだったのであろう。でなければ、ここまで盛り上がるものかよ」とか思うのはちょっと間違い。種明かしをすると、今月27日に台湾では5直轄市の市長選挙が行われるのですが、国民受けを狙って、国民党・民進党双方が楊淑君ネタを盛り上げまくり。
国民党「楊淑君には金メダル相当の報奨金を与えますよー。彼女が頑張ったよね♪」という感じで。正直、韓国もいいとばっちりだと思いますが……。毎度のことながら、台湾の選挙は熱すぎますね。それがいいことなのか悪いことなのか。関心が高いのはいいことなんでしょうけど、「日本も台湾のようになるべき」とはとても思えないなぁ。
民進党「どの口がほざくんだよ。国民党の政治力がないから、楊淑君は陰謀で敗れたんだろーが」
国民党「(かちーん)テコンドー連盟に厳重に抗議するっ(ビシッ」
国内政争の影響でマッチポンプ式に燃え上がったんですね。