中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年11月29日
楊潔チ外相が、南北朝鮮関係者と会談し、日米露の外相と電話したのはこのためだったのですかね。
清華大学、社会科学院の御用学者も揃ってこの提案を全力支持。
「朝鮮半島における衝突、あるいは戦争の危険がある敏感な時期に、中国が緊急協議を提案するのは必要であり建設的」「緊急協議で意見交換を行い、誤った判断による重大な結果を避ける」(劉江永・清華大学国際問題研究所教授)
「6者協議は対話を復活させ、6者全てに好都合であり、情勢悪化を防ぐ」(顧国良・中国社会科学院主任)
はいはい貴重なご意見でした。
「早期に6者会談を再開するのが中国の一貫した立場であり、そのために中国は努力を惜しまない。今回の協議は6者会談の再開を意味するものではないが、我々としては6者会談の再開に必要な条件を作る助けとなればと期待している」(武大偉氏)。
おい、緊急協議は6者会談に入らないのか。言葉遊びが酷い。
今回の事件で使われている、「朝韓交火事件」(南北朝鮮交戦事件)というような謎の単語を作らせたら世界一。北朝鮮を前に持ってきているのは慣例通りながら、どちらが先制攻撃したかは言及を避け続けております。
2010年11月25日外交部定例記者会見
どう聞かれても「非常に注視している」、「対話による解決を」、「双方に冷静になるよう呼びかけ」、としか言わなかったのですが、既に「朝韓交火事件」が使われています。
各国の記者が揃ってこの単語を使ったとは到底思えないので、外交部か、あるいは宣伝部の手が入っているのだと思います。
将軍様の訪中以降、中朝高官が往来を重ね、3代目のお披露目には日本のメディアでは殆どスルーされましたが、周永康が立ち会うなど、以前にも増して親密度を高めている両国。
習近平が10月末に開かれた朝鮮戦争参戦60周年記念イベントで、従軍した老兵を前に「平和を守り侵略に立ち向かった正義の戦争」と発言したのに加え、朝鮮 戦争の鉄板ネタであるものの共産党史においては中国人民の犠牲の象徴とされたものの、一般の歴史においてはマイナーとしか言いようが無い毛岸英のドラマ化 と、北朝鮮への傾倒が続いていました。
朝鮮戦争参戦60周年記念(2010/10/26 新華網)
ドラマ『毛岸英』
習近平の講話を読んでみました。かなり危ない内容ですね。
過去の評価と比べてないので何とも言えませんが、記念イベントであることを差し引いても「中朝両国人民と軍隊の鮮血で固められた、偉大な戦闘の友誼は忘れておりません」とか、気合入れすぎ感が否めません。このイベントも宣伝部がかんでおります。
三男おめでとうの花火だと思ってたら、意外と繋がりも見えなくないので半可通は困ってます。露骨な北朝鮮擁護はしないものの、明らかに北朝鮮よりの言動が続き、そして6者協議の再開を強く求める「重要ニュース」の発表。
北朝鮮情勢はスルーしてきたけど、これからは注視するとします。
*中国の「重要ニュース」発表にいたるまでの流れを記事「【まとめ】<北朝鮮砲撃>「中国ならどうにかしてくれる!」各国の期待を中国が斜め上の方向に打ち返すまで」にまとめました。