中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年12月06日
中国の不動産バブルに新たな犠牲者が生まれた。それは上海の遺骨。2000万人がひしめきあうこの都市では墓地の確保も一苦労。最近、政府は海洋散骨の支援を始めた。海洋散骨のメリットは土地がまったく要らないこと。他にもいろんな「エコ埋葬」のパターンがあります。「樹葬」、「花葬」、「草坪葬」などという草木や花をお墓代わりにするというのが一番メジャー。ちょっとびっくりするのが「壁葬」。遺体を壁に塗り込めるの?!と一瞬驚きましたが、骨壺を棚に並べて安置しておくというものだそうで。そりゃそうですよね。
不動産バブルでお墓が買えない!政府は海洋散骨を推奨―上海市(レコードチャイナ、12月5日)
まあ、最も中国の墓不足は今に始まったことではありません。大きめの土饅頭を作るスタイルが主流だった前近代では、今以上に土地が必要に なるわけで。さらに南部など風水が信じられている地域では、好立地に祖先を葬ることで家が繁栄すると信じられており、まさに奪い合い状態に。戦乱が起きると、どさくさまぎれに好立地の墓を掘り返して、自分の先祖を埋葬するということまでありました。
一世を風靡した香港映画「キョンシー」(日本語ウィキペディア)シ リーズには、墓を掘り返されたり地脈に杭を打たれたりで風水が乱れたため、死体がキョンシー化してしまうというエピソードもありました。となると……、海洋散骨された人々が上海に戻ってくる「恐怖!シー・キョンシー来襲」がそろそろ撮影されてもいいんじゃないかな、と。さすがに火葬されて灰になっちゃうと もうキョンシー化は無理でしょうか……。