中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年12月17日
浙江省温州市の養殖業者が、福建省福州市順平水産加工場で飼料用魚粉を購入後、市内の機関で検査したところ、魚粉1キロ中1200-2000ミリグラムの
メラミンが検出された。警察は12月3日、メラミン混入魚粉など150トンと原料199袋を押収し、工場長の身柄を拘束した。
メラミン汚染飼料がまん延、粉ミルク上回る影響も―中国(サーチナ、2010年12月9日)
では、その後、どんな展開になっているのかなとググってみると……。なんと最新報道が12月6日!続報が全然ありません。当局が情報封鎖を……という可能性も否定できませんが、「よくある事件だし、実際の健康被害もでていないし、業者も捕まったし、つっこんで報道するほどでもないか」というメディアの判断という可能性も濃厚じゃないか、と。
サーチナは
「メラミン汚染飼料」は「メラミン汚染粉ミルク」の背後に隠れ注目を浴びなかったため、この2年間当局の監督を免れ、結局、使用がまん延化させた。有毒飼料がもたらす汚染は、牧畜、養殖など広範囲にわたるため、影響は粉ミルクよりはるかに大きいという。と、「なんかすごいことが見つかった」的な書き方をしていますが、シンガポール華字紙・聯合早報は180度違った分析。
メラミンは主に化学工場から発生するゴミを原料としている。中国本土メディアは以前から飼料から基準値を超えたメラミンが検出されたことを何度も報じていた。三鹿集団のメラミン汚染粉ミルク事件の前にも、中国の輸出用ペット飼料からメラミンが検出されている。「まあ、よくあることだよね」ぐらいの取り上げ方。思えば、中国のメラミン問題が最初に世界的な注目を集めたのは2007年米国でのペットフードリコール問題。その数年前から飼料へのメラミン添加は広まっていたのでしょう。
米紙ニューヨークタイムズは2007年、中国の毒飼料が1万頭以上もの米国の動物を病気にさせたと報じ、飼料へのメラミンの添加は「公然の秘密」だと報じている。2008年、毎日経済新聞は業界関係者のコメントを引用、飼料へのメラミン添加は2002年前後に水産養殖業で流行し、後に畜産養殖など多分野に「普及」したと報じた。南方農村報も専門家のコメントを引用。中国本土のメラミン生産企業のゴミ売却ビジネスは大変な人気であること。買い手は主に飼料原料業界であり、「メラミン・ゴミは基本的に完売する」状況だと伝えている。
「福建省でメラミン汚染の魚・ニワトリ用飼料を発見=含有量は基準値の400倍」(聯合早報、2010年12月7日)