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中国語推理小説グランプリ創設=業界活性化に追い風―中国本土ミステリの世界

2010年12月22日

第1回華文推理グランプリ募集のお知らせ
中国本土ミステリの概況については、「【中国本土ミステリの世界】中国は推理小説不毛の地じゃない!新たな才能たちの胎動を見よ」を参照してください。

雑誌『歳月・推理』と『青少年文学・推理世界』がついに推理小説賞を創設しました。

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その名も華文推理大奨賽(中国語推理小説グランプリ)だ。なんともシンプルでわかりやすいタイトルである。
第1回中国語推理小説グランプリ応募開始のお知らせ
応募要項に記載されている、同賞設立の趣旨をご紹介すると以下のとおり。

*当記事はブログ「トリフィドの日が来ても二人だけは読み抜く」の許可を得て転載したものです。

『歳月・推理』と『青少年文学・推理世界』は中国本土の推理文学の発展と促進、中国語のミステリの発表場所の完備、多くの作者が推理文学の創作に着手することを励まし、創意と活力を引き出すために、全世界の中国人を対象にしたコンテストを行い、中国語のミステリを熱愛し実力と潜在
力を兼ね備えた新人作家を真剣に探しています。
創設の目的に『新人』(原文では新生力量)と書いているものの、応募資格には世界中の中国人という言葉があるだけで他に厳しい規定はなさそうである。

だから今までミステリを愛読していただけの新人のみならず、既に活躍している作家にも受賞のチャンスがあるらしい。

一等には1万元(約12万円)、二等には5000元(約6万円)、三等には2000元(約2万4000円)が支払われ、更に最優秀新人賞に選ばれた新人には特別に1000元(約1万2000円)の賞金が与えられる。そして受賞作品は『歳月・推理』か『青少年文学・推理世界』での掲載が約束されている。

受賞作掲載誌を『歳月・推理』と『推理世界』に振り分ける選考基準がわからないが、これでますます中国本土の推理小説業界が盛り上がることは間違いない。また推測ではあるが、創設の意図は上記の理由に加えて、権威付けと他の推理雑誌との差別化があるのではないか。

ただ、この賞の募集期間は2011年1月から12月までと長く、受賞作品が読めるようになるのはそれより先の2012年4月以降のこと。2012年にもなったら作家の顔ぶれもだいぶ変わっているだろうが、その頃には『歳月・推理』や同誌連載作家の単行本がキオスク以外のちゃんとした本屋にも並んでいるかも知れない。

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