今や日本の大手マスコミまでもが取り上げた中国・四川省のニセガンダム。クリスマスイベント向けの巨大飾り灯籠だったのですが、
クリスマスを目前にしてどうやら撤去されたもようです。
【12月20日 AFP】中国の遊園地に、日本の人気アニメ「機動戦士ガンダム(Mobile Suit Gundam)」のモビルスーツ(ロボット)「ガンダム(Gundam)」そっくりの巨大立像が登場した。しかし、現地からの情報によると、20日には立像は撤去されたもようだ。
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しかし、これで「模倣騒動」が一件落着というわけではなさそうだ。フジテレビは、日本の特撮テレビ番組「ウルトラマン」のウルトラマンにそっくりの立像も放映したのだ。
中国の遊園地に「模倣ガンダム」、すでに撤去か(AFP BB)
AFPがノリノリで煽っていますが、これで一件落着するんじゃないかというのが私の予想。もっともここまで大事になるとも思っていなかったので間違える可能性は大ですが。ニセガンダム以外のニセウルトラマンとかでも盛り上がったりするのでしょうか。
*Nightjojoさん撮影。
さてさて、今回の一件がなぜこれほど盛り上がったかというと、
全高15メートルの黄色い巨大ニセガンダムという絵柄が面白すぎたから。この点に尽きるんじゃないか、と。一方で権利者の立場からすると、「
あんなひなびた遊園地がパクろうがパクらまいが大して差はないよ!被害額がでかいパクリは他にあるんだよ!」というのが本音ではないでしょうか(突撃取材したNightjojoさんは「門に入って見回したら、なんかどこも埃いっぱい被ってるようですが… ゴーストタウンって感じ?」と描写しています)。
というわけで、今回はもっと被害額がでかいネタであるニセガンプラについてご紹介します。
まずはこちらの動画をどうぞ。
*ニコニコ動画にもアップされています。「小白龍機動戦士」。
こちらは中国のガンプラパクリメーカー・小白龍のテレビCM。途中で本物の初代ガンダムらしきアニメを使用しているのがすごいかも。
Youtubeのコメント欄をぱらぱら見ると……
最後の挿入曲は頭文字Dの「NO ONE SLEEP IN TOKYO」じゃねーか!!!
パクリのゴミだよ。以前は台湾の雑貨店に山と積まれていた。1個で10台湾ドル(約28円)。すごいので50台湾ドル(約140円)とか100台湾ドル(約280円)とか。どれも高いと思った。
↑
いつの時代だよ!そんなに安くなかったぞ!
ゴミだね。笑える~。
オレのソードストライクガンダムを侮辱するな!
この手の品は以前ならどこの雑貨店でも売っていたね。
どれも単色でさ。しかも別のを混ぜても組み立てられるの。
ガンダムをバカにするな!
これが欲しいやついるの?(英語書き込み)
クソッタレのニセモノだ。(英語書き込み)
ってな感じで。中国ネット掲示板のガンプラ板とかのぞいてみると、
「どのパチモノがいけてるの?」
「小白龍のパチモノは彫りが甘いぞ」
「新作ガンダムのパチモノ、マダー」
「バンダイとパチモノ、どっちがいいの?」
「愛国者なら国産を買え!安い上に装備品も本物より多いぞ!」
などと熱い会話が。
この手の中華ガンプラについては、「ワールドパチモノヒーローズ」の記事「
ガンダムのパチモノ」が詳しいです。中国本土と香港のメーカーが記載されていますが、Youtubeのコメントを見る限り、以前には台湾にもあったはずと推定されます。というわけで、上記サイトで紹介されているパチモノ・ガンプラを、中国ネットショッピングモール最大手・タオバオで探してみると……。
いや、もうざくざく出てきます。
まずは小白龍。お値段32元(約384円)。「11号神意ガンダム」ってなんでしょう?
中国本土産パチモノガンプラメーカーでは最高品質とたたえられている天通TT改め高高模型のストライクフリーダムガンダム(多分…)。66元(約790円)。
BENDIのSDガンダム三国伝・孫尚香。5.5元(約66円)は安い!でも送料が15元(約180円)もする……。誰も買わないだろうな~。過去30日の売り上げはゼロ。在庫50点とのこと。ピンチだっ!
香港のパチモノメーカー・GHDのストライクガンダム……なのかな(って中国語では書いてあるように見えます。「強襲/攻撃高達」)。さすが香港?!168元(約2020円)というかなりのお値段に。
正規版という触れ込みで売られているSDガンダム三国伝の黄忠ガンダム。39元(約470円)という値段を見ると本物っぽいのですが、「BANDAI」じゃなくて「BANDI」と書いてあるところが気になりすぎる……。
正直、田舎テーマパークの飾り灯籠なんかよりも、あふれかえるパチモノガンプラのほうがよっぽど被害額は大きいでしょう。
なにせ「最近、ニセモノ対策を頑張っている(ことになっている)中国最大手ネットショッピングサイト」でこのざまなので。
ちなみにバンダイも訴訟したり、いろいろやっているよう。ですがネット情報だけでは全然流れがつかめません。はっきりしているのは、昨年6月、バンダイと爆笑CMの小白龍が和解したということ(
中国版権保護センターの発表)。内容が書いていないのですが、どうやら一部製品のライセンス生産を許可したということらしいです。
さてさて、今回は四川の巨大ニセガンダム・ネタばかりが盛り上がり、ついには世界各国メディアの集中攻撃の前に滅んでしまったわけですが
(多分……)、しかしっ、本当の敵(被害額の大きさ計算)は別にいるのですっ!!!しかも長年バトルが続いているわけですが、こっちは倒せる気配がないのがなんともトホホな感じであります。
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