中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年12月22日
事件は18日午後に発生。黄海の韓国排他的経済水域(EEZ)内で、中国漁船が韓国警備艇に体当たり。ところが体当たりした漁船が逆に沈没するという大惨事に。漁船の乗員10人全員が海に投げ出され、1人死亡、1人行方不明となっています。
体当たり以外でも、中国漁船の「蛮勇」ぶりはなかなかのもの。
警備艇が違法操業中の中国漁船(63トン)を取り締まろうとしたところ、漁船が警備艇に体当たりし、はずみで転覆、漁船乗組員1人が死亡し1人が行方不明になった。一方、鉄パイプなどによる乗組員の抵抗を受け、海洋警察官4人も骨折するなど負傷した。事件後、なかなか正式な態度表明にはいたらなかった中国政府ですが、韓国で吹き荒れまくる反中感情にきれたのか、自国民に弱腰と非難されたくなかったのか、激しい反撃を敢行します。その舞台となった我らが姜瑜報道官が担当した21日の外交部定例記者会見の一幕をご紹介。
海 洋警察は、韓国の排他的経済水域(EEZ)内の現場で中国漁船約50隻が違法操業しているのを発見。警備艇が急行し、検索のため1隻に乗り移ろうとしたと ころ、中国漁船の乗組員が、鉄パイプを振り回すなど猛烈に抵抗した。警備艇に体当たりした漁船は転覆、乗組員10人全員が海に投げ出されたという。
中国漁船:韓国警備艇に体当たり 50隻が違法操業(毎日.JP、2010年12月18日)
質問:報道によると、中国漁船と韓国海上警察庁警備艇との衝突がありました。状況を教えてください。また中国側は事件が半島情勢を複雑にすると懸念していますか?がっぷり四つの全面対立!
姜瑜:まず最初にお答えしますが、事件と半島情勢には直接の関係はありません。
中国側はこの事件をきわめて重大なものと注目しており、韓国側に厳正な交渉を申し入れています。行方不明の中国人船員を全力で捜索すること、事態を引き起こした者を処罰すること、中国の人的被害及び財産の被害を賠償すること、ならびに同様の事件の再発を防止することを要求しています。
中国の関係部局は被害にあった船員の救出と事後処理をきわめて重視しています。事件後、ただちに関係部局は付近の漁船と専門の救助船を組織し、現地に向かわせました。韓国側もヘリと救助船を出動させ、現地を捜索しています。現在も救出活動はなお続行中と理解しております。
質問:中国漁船と警備艇の衝突についてですが、先ほど韓国側の「事態を引き起こした者」を処罰するようにとおっしゃいましたが、報道では中国漁船は韓国の海域で韓国海上警察庁警備艇と衝突したようですが。事態を教えてください。
姜瑜:どんな海域であれ、海上警察が漁船に衝突し、死傷者を出す事態はあってはならないことです。事件は中韓漁業暫定措置水域で起きました。「中韓漁業協定」によれば、両国漁船はともに同水域での操業を認められています。両国捜査当局はそれぞれ自国の漁船を管理し、相手国に違法行為を通報することになっていますが、相手国漁船に乗船して捜査する権利はありません。
韓国:操業許可持ってなかった!不法操業だ!みたいな水掛け論になる可能性が高そうで。韓国ピンチ。まあ、客観的にみたら違法漁船を野放しにし続けてきた中国に問題があるのは明々白々なのですけれども。気になるのはこれまで年に100隻以上も韓国は中国漁船を拿捕してきたのに、なぜ今回の(へ)理屈を持ち出さなかったのかということ。
中国:いや許可出していたよ。うちに記録あるもの。
韓国:操業日誌改ざんしていた!違法な操業だった!体当たりしてきた!うちの海上警察官に怪我させた!全部証拠はある!
中国:(そうだよね~。うちの漁船が悪いよね。)いや、その前にさ、おたくがうちの漁船に乗船してこようとしたじゃない?それが違法だよ、違法。違法行為の後に起きた混乱なんか、知ったことじゃないの。決まりどおりうちに連絡くださいよ。そしたらちゃんと取り締まりますから(にやり)。つーか、おたくの違法行為でうちには死人が出ているんだから。賠償金払ってね。きっちりと。あ、それから今後はうちの漁船には一切手出ししないでね。違反があったら連絡、ね。