中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年12月28日
物理学の最大のなぞの一つで、見つければノーベル賞級の成果となる暗黒物質の観測に、中国の研究チームが本格的に乗り出すことを決めた。暗黒物質は地球や我々を作る普通の物質の数倍は存在するのに正体は不明。米欧や日本が初検出にしのぎを削るなか、中国は四川省山中の厚さ2千メートル超の岩盤下に「世界最深」の実験室を設けて、競争に参入する。
現地紙によると、実験室は、四川省涼山イ族自治州で水力発電ダムの建設用に掘られた錦屏山トンネル(長さ約18キロ)内に設置された。実験室を厚さ約2400メートルの岩盤下に置くことで観測のじゃまになる宇宙線の影響を排除する。中国中央テレビは「米欧日に地下実験室があるが、深さ2千メートル以上の好条件はほかにない」などと報じた。
正体不明の暗黒物質観測に中国参入 岩盤下2千mで実験
ダム建設のために掘られた全長18キロのトンネルを利用。実験室は山の真下にあるため、上には厚さ2500メートルもの岩盤がある状態だそうです。そのため宇宙線の干渉を最低限に抑えられるそうで。また鉱山跡や井戸を利用した他国と比べ、実験室まで車に乗っていけるところもメリットとのこと。秘密基地って感じでいいですね。
その神秘の世界を大公開!してくれていたら良かったのですが、あんまり見せてくれている写真や動画がなかったり。比較的地下トンネル部分が長い動画を捜してみました。
基礎研究ではまだまだといった感のある中国ですが、この実験室はすごいですね。中国メディアも盛んに報道していますが、ダークマターの観測に成功すればノーベル賞は間違いなしと言われているだけに、相当の期待度です。