中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年12月31日
まだまだ農村のことはわからないことも多いですが、それをちょっと理解させてくれる様々な場面が面白かったです。例えば、(こんなに立派な人がどれだけいるのかが疑問ですが)村民委員会主任が村の内外を駆け巡り投資を村の事業への投資を引っ張ってくる役割を担っていたり、出稼ぎ者と故郷の村との関係の間に立って調停役を行ったりと。また小さい村社会ならではの暖かさと苦労(すぐうわさが広がったり、すぐに仲間になったりけんかしたりと)などなども。また、中国語も大変田舎言葉が面白く、それぞれの女性のキャラも立っていて、とっても楽しめるコメディです。
けど、今時こんな事業もできて人情味も厚い、各家庭のけんかや悩みの相談にも乗ってくれるような、立派な村主任はどれだけいるのでしょうか。
今回は養豚事業を持ってくるということになっていますが、ただ自分の今の仕事に翻って考えさせられるのは、農業の担い手が確かに実際に農村に留まっていないんだなあということ。今回のドラマではその事業の成功から農村に人が留まったり、戻ってきたりという風になっていますが、このように上手く農村で事業を成り立たせている事例は多くは無いでしょう。
都市化を進めるのは今でも中国農村・農業政策の基幹のようですが、一方18億ムーの耕地は死守するとも言います。一人当たり1ヘクタールに満たない耕地を看るには人は余っているということなのでしょうが、やはり「都市で頑張ることが成功」という雰囲気は同じく『蝸居』でも何度も見られた光景です。
そんな中、中国では「統籌城郷協調発展」というスローガンが唱えられています。都市と農村の調和のある統合的発展とでも訳しましょうか。この言葉は良く出てくるのですが、「良く意味がわからない」とも聞きます。これはまた別に改めてきちんと噛み砕いて書いてみたいと思います。