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中国にも紹介された「4コマ紹介『太陽の季節』=中国人の感想を訳してみた

2010年12月30日

ブログ「OL男子の4コマ書評」がすごい人気ですね。

人気に火がついたのが石原慎太郎作品を4コママンガで紹介するという企画。

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*「石原都知事の作品「太陽の季節」が野放図すぎる件」より。クリックすると大きなサイズで表示されます。他にも「石原都知事の作品が野放図すぎる件」「石原都知事の作品が野放図すぎる件その2」に石原作品紹介があります。

さて、同ブログの記事「中国で太陽の季節」で、上記4コマが翻訳されてネット掲示板に貼られたことが紹介されていました。ので、今回はそれを読んだ中国人の声をご紹介しようかと。

[パロディ]簡単にわかる石原慎太郎ライトノベルの読み方(2010年12月22日)

星宿喵の萌えログより

最近、東京のマンガ産業を絞め殺すため、石原慎太郎都知事はマンガからエロと犯罪を消し去るよう要請している。が、海外でも有名なこの知事様はかつてクリエイターだった。

じゃあ石原はどんな作品を作っていたのか?有名サイト「借力」の長谷川一刀谷口一刀(翻訳ミスってました。)さんはみんな小説を読む時間がないと知って、わかりやすい4コママンガの紹介を作ってくれた。まずは「完全な遊戯」から。(ちょろっと翻訳してみました。)

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*クリックすると大きなサイズで表示されます。

このほかに「処刑の部屋」と「太陽の季節」の漫画版も。

きっと石原は現在のクリエイターがぬるすぎると思って禁止したんだ……ってなぜ思想統制?!先輩からの愛のスパルタ教育だよ!


1:
石原ってのにはろくなやつがいないな。
他に中国orオタクから嫌われている石原さんっていましたっけ?コメントでは「石原莞爾」ではないかとのご指摘。納得です)


2:
こんなのが東京都知事で日本は本当に大丈夫なのか?


3:
だから早く金持ちのオタクが人を雇って、石原をやっちゃえばいいんだよ。
(中国的発想……)


4:
他の紹介4コマ2本も貼っておく。
石原都知事の作品「太陽の季節」が野放図すぎる件」「石原都知事の作品が野放図すぎる件その2


5:
すげっ


6:
石原は三島由紀夫と一緒だよ。今頃知ったのかよ。


11:
これってドラマとか映画になってる?


12:
確かに若き日の石原の作品だ。『太陽の季節』は1956年に芥川賞を受賞。出版部数でも戦後上位の記録を持っている。しかし当時から「わがままな青年のわいせつな文学が芥川賞の名誉を汚した」と批判する作家もいた。

当時は日本が敗戦後の荒野から抜け出て新たな再生を始めた時期だった。新たに到来した消費時代に変わる中で、欲望が噴出した時期だった。若者たちは誰もが心理的な虚無にとらわれ、前の世代の教育に対する反逆と疑問が広まっていたんだ。小説はすぐに映画となり、石原兄弟が演出した。その大ヒットによって石原慎太郎はあの世代の怒れる青年たちにとってのアイドルとなったんだよ。

つまり、石原の初期作品は、戦後日本の反逆青年たちの怒りと自己放棄の写し絵であって、時代を描き出した作品だった。政治家に転じて30年後に「東京王」となった石原にふさわしくはないかもしれないが……。

『太陽の季節』が文学鑑賞授業の対象作品だった。この作品が好きであろうがなかろうが、こういう道理のない批判がよろしくないよ。

PS:黒石原については私も賛同できない。彼に対する感情は憎しみと敬意が入り交じったものだよ。ただ「罪は作品に及ばず」だ。こうした優秀な作品に対しては客観的に見て欲しい。そう思ってマジレスしてしまった。


21:
太陽の季節を読んだことがあるなら、舟橋聖一と佐藤春夫による議論も知っておくべきだよ。当時、太陽族が大流行したことから考えても、どちらの主張がより説得力があるかは明白だ。(芥川賞選考委員である両氏の議論。舟橋が賛成派、佐藤が批判派だったはず。)

それにしてもこの漫画は確かにちょっと軽薄だ。せめて1955年当時の服装にして欲しい。


13:
自分の作品の構想と桐乃(ライトノベル、アニメの『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の登場人物かな?)がかぶったから、この法案を通したんだろ。


14:
今後、優秀な人材が石原の座を脅かすことを恐れたんだろうよ。


15:
なんでどの作品でもナンパしているの?


16:
人間、誰しも老いるよ。


17:
若い時の過ちじゃない?


18:
もう一つ転載。

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*テレビ番組のキャプチャーでしょうか?


22:
若き日の「憤青」(憤怒する青年)が、老いてこんな風になるとは……。
過激であろうが保守であろうがどうでもいいけど、人の自由をはぎ取ろうとするのは恐ろしい。


23:
文化の批判、一部を慎むってのはいいことだよ。日本ではこの手のことをどう処理しているかわからないけどね。通常、厳粛な文化だけが大きな表現の自由を享受できるものだよ。
とまあこんな感じで。

アニメ・マンガ系ネット掲示板に立ったスレなので、表現の自由については「守るべき」っていう意見が多めでしょうか。日本語を読める人を通じて、日本オタクの意見が伝わっているというのも大きいのではないでしょうか。

ただ、一応補足しておくと、ずっぽりオタク文化にはまった中国人は別として、ライトに触れているぐらいの層だと「ある程度の規制は仕方ないでしょ」という意見も結構多いです。

最近でも芸術学部所属の女子大生が自分のヌード写真を使った展示会を開いたというのが結構な話題に(参照リンク:人民大学の90後美女、人体芸術展を開催)。2009年のフィルタリングソフト・プレインストール義務化騒動でも、PCを使う子どもや学生からの反発は強烈でしたが、他の層からは「いやーやっぱり規制はある程度ないとね」っていう意見もかなりの比率だったと記憶しています(参照リンク:<検閲ソフト>さらば、緑壩娘!あの萌えキャラが河蟹と共に消えた!)。

また「12」さんが展開した、『太陽の季節』評価にもちょっとびっくり。文学鑑賞の授業で読んだということですが、中国本土の大学なのかな。だったら結構攻めている先生ですね。消費時代の到来に伴い、既存の道徳・秩序が崩壊。若者の虚無感が……っていう話だったら、ここ10年ぐらいの中国ともかなり符合する話。今こそ中国版映画「太陽の季節」とかを撮ってみてはいかがでしょうか!もちろん脚本は都知事でお願いします!

(Chinanews)
*記事についての情報や間違いなど教えて頂けると大変助かります!コメント欄か、メール(kinbricksnow●gmail.com、●を@に変えてください)でお願いします。

 コメント一覧 (11)

    • 1. 推測だけど
    • 2010年12月30日 19:11
    • >石原ってのにはろくなやつがいないな。
      >(他に中国orオタクから嫌われている石原さんっていましたっけ?)

      思いつきで裏づけなしだけど石原莞爾のことじゃないかな。日本語の読みだと違う(いしわら)けど漢字見ただけなら同じだから。
    • 2. うがや
    • 2010年12月30日 19:22
    • 5 もう書いてあるけど石原莞爾でせうね。借力はチャクリキ。
    • 3. トゥエンティ
    • 2010年12月30日 23:29
    • 石原の太陽の季節は文壇の受賞選考時に喧々諤々でもめた問題作
      だが、結局この作品で「太陽族」が出て来て湘南でガールハントに勤しみ、女性たちも開放的な服装になり、深夜族、所謂今の若者文化を形成していったと言える
      つまり石原、お前のまいた種を刈り取るつもりかもしれんが、既に遅すぎるんだよ
      爺になってから宗旨替えするなら最初からあんなもん書くなボケと言いたい
      谷崎潤一郎の爪の垢でも飲んどけボケ
    • 4. Chinanews
    • 2010年12月30日 23:32
    • >推測だけどさん、うがやさん
      おお、石原莞爾さんのことをすっかり忘れておりました。
    • 5. Chinanews
    • 2010年12月30日 23:50
    • >トゥエンティさん
      「お前のまいた種を刈り取るつもりかもしれんが」はなるほどですね。

      日本をダメにしたのはオレだっ!だからオレが日本をただすっ!と若人を射殺しまくる石原氏の新作小説が読みたい?!
    • 6. ~
    • 2010年12月31日 00:20
    • 中国は(著作権等除き)規制馴れしちゃってそうだよね
      香港映画とか面白かったのになー
    • 7. Chinanews
    • 2010年12月31日 10:37
    • >~さん
      規制慣れはあるかもしれませんね。
      香港映画は中国本土に輸出することを前提に作られるようになったため、結局、中国本土並の規制を受けることになったそうで。それでだいぶ勢いが削がれたとも聞きますね。
    • 8. yoshibon
    • 2010年12月31日 12:43
    • 倫理観や社会性に対する認識は年齢と共に変化しするものです。

      小生もそうですが、自分が若いときにしでかした恥ずかしい行為はどっかに置いといて、若者に説教しちゃったりします。

      「俺の言うとおりにしろ。俺の真似はするな」

      ですね。

    • 9. Chinanews
    • 2010年12月31日 13:11
    • >Yoshibonさん
      自分もだんだんその気持ちがわかる年齢になってきましたが……(笑)

      ただ、石原氏は反逆の旗手だったわけで、変わるにもほどがあるような……。
    • 10. ー
    • 2010年12月31日 18:05
    • 東京王とはうまい表現だな
      自分より上の物はないと思ってそうだよねあの人
    • 11. Chinanews
    • 2011年01月01日 10:30
    • >ーさん
      東国原知事や橋本府知事、河村市長もそうですが、直接選挙で選ばれた首長の権力は圧倒的なので……って感じでしょうか。

      その中でも石原さんのエキセントリック具合は飛び抜けているかも……。

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