中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年12月31日
今年1月、人口19億人、域内GDP6兆ドル(約488兆円)、域内貿易額4兆5000億ドル(約366兆円)の巨大経済圏が成立。ASEANはかなり積極的な自由貿易協定(FTA)戦略を推進しており、インドとのFTAも発効しています。中国・インドという2大国と無関税で取引できる地域として、一気に注目度をアップさせたのではないでしょうか。
1月12日、マグニチュード7.3の大地震が発生。20万人以上が死亡する惨事となりました。現在もなお130万人がテント生活を余儀なくされています。10月にはコレラが発生し、2600人弱が死亡するなどの二次災害も深刻です。
3:韓国哨戒艦沈没事件と延坪島砲撃事件
3月26日、韓国の哨戒艦「天安号」が黄海で爆発し沈没。54人が死亡・行方不明となる惨事に。北朝鮮の魚雷攻撃によるものと韓国側は調査結果を発表していますが、北朝鮮は否定しています。
11月23日には北朝鮮が韓国が支配する延坪島に砲撃。民間人2人を含む4人が死亡しました。韓国側も反撃し、北朝鮮も5人以上の死者がでたとの噂も。北 朝鮮に対する威嚇のため米韓合同演習が頻繁に実施されたり、中国が「うちの裏庭である黄海に米空母が進入することはまかりならん」ときれたり、えらい騒ぎに。
今年4月、アイスランドの火山が噴火。欧州の航空便がマヒするなどの大騒ぎに。約10万便が取り消され、被害総額は数十億ユーロに達しました。
4月20日の爆発事故で始まった原油流出は延々半年近くも泊まらず。400万バレル以上の原油が海に流れ出す、米史上最悪の原油流出事故にして、メキシコ湾の自然環境に深刻な打撃を与える事故となりました。
今年4月のIMF改革により、先進国の持つ投票権のうち3.13%が途上国に移動。途上国全体の投票権が47.19%にまで高まりました。といってもその多くは途上国というか、中国に渡ったのですが。このニュースが10大ニュースに入るのはとても中国らしいですね。
昨年末のギリシャに続き、ポルトガルやスペインの国債格付けも引き下げられるなど、ユーロ圏の債務危機が深刻な問題に。中国とひきつければ、「こ の危機を救うためには中国様の金を頼りにするしか」「中国に身も心も売っていいの?!」という激論が欧州で戦わされていたり。胡錦濤主席の欧州訪問がその 典型だったように、中国は今、欧州に対する札束外交を大展開中ですね。
5月20日、米分子生物学者ジョン・クレイグ・ヴェンター氏率いる研究チームは、人工的に合成したDNAを使って単細胞生物の培養に成功したと発表。すなわち人工生命の誕生であり、人間が新たな生命を作り出す第一歩となったと新華社は評価しています。
8月5日の事故で坑道内に閉じ込められた33人の炭鉱労働者が2カ月後、ついに全員が救出されるという奇跡的なドラマが。
「ドルを刷るマシーン」と化したFRBにいかがなものかと他国から批判が。ドルの過剰な流動性がコモディティ商品の値上がりや他国へのホットマ ネー移動を促し、世界の金融安定と景気回復のリスクになっているとの指摘。もっともな話なのですが、だったら中国の「適度に緩和された貨幣政策」の問題点 もあげてもいいのではないでしょうか、新華社さん。
普通の10大ニュースのように見えながら、ところどころ中国らしさが入っているところがすばらしい。尖閣沖中国漁船衝突事故を入れてくれないのが寂しいかぎりです。