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北京の灰色の「青空」=違和感残る政府統計―政治学で読む中国

2011年01月05日

北京の「青空」

『新京報』が報道しましたが、北京市環境保護局によると、2010年の北京の「青空」の日数は、目標の266日を超えて、2009年より1日多い、286日となったそうです。
2010年の北京の青空、最終的に286日に(新京報、2011年1月1日)
365日の内の286日と言えば大半が「青空」だったことになります。北京にいたことのある方ならおわかりになると思いますが、どちらかというと、北京は、どんよりしたような曇りの日が多く、こんなに青空が見えたかというのが偽らざるところではないでしょうか。2009年も285日というのですから、益々違和感が募ります。

*当記事は2011年1月2日付ブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。

そう思ったのは私だけではないようで、実際、2009年6月1日から、2010年5月31日までの1年間、証拠となる道標と一緒に空の写真を撮られた方がおります。その方の統計によると、青空だったのは、180日だけで、49%にしか過ぎないとしております。

ホワイトカラーの青空ヴィジュアル日記:北京の空の365日(騰訊、2010年11月1日)

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※写真は「ホワイトカラーの青空ヴィジュアル日記」掲載のもの。


この方は海外にいた経験があり、現在は中国の外資系の会社に勤めている女性の方だそうですが、ただ漫然と日々を過ごすのではなく、1日1回でも空を見上げる等、自分の住んでいる所の環境に注意を払ってはどうかと述べております。こういう記事を見ると、確かに国内にいるだけでなく、国外に出る人が増えるのは良いことだと思えます。

ただ、中国がここで終わるはずがなく、当然、保護局の反論が寄せられることとなります。それによると「青空」というのは通俗的な呼び名にすぎず、日数のカウントは大気の汚染指数(API)によるもので、APIが100以下であれば、「青空」としており、雨が降っていても「青空」とカウントされるそうです。

空気汚染指数(AIR POLLUTION INDEX、API)
常時観測されている数種の空気汚染物の濃度を単純化して単一の指標とした概念的数値。空気の状態を直感的に把握することができる。過去10日間の汚染物質平均濃度から各物質ごとにAPIを算出する。複数の汚染物質のうち最大の指数を示したものが対象地域のAPIとなり、主要汚染物質名と合わせて公表される。
百度百科「空気汚染指数」を参照。

女性ホワイトカラーが撮影したビジュアル日記:北京の青空はそんなに多くない(中国低炭網、2010年10月26日)

確かに保護局のHPを見ると、「空気の質」という言い方をしており、空気の質の等級分けに基づく日数の公表のみとなっております。これまでどのように公表していたか、記者にどのように情報提供をしていたのか、わかりませんが、無難な(面白くない)書き方になっております。

2010年北京市の基準値達成日数は286日=空気品質は12連続で改善(北京市環境保護局ウェブサイト、2010年12月31日)

門外漢である私にはAPIと言われても、これが何のことだかさっぱりわかりませんが、北京の空気の汚さは身をもって経験しており、「12年連続で改善」と言われても、違和感が残るのは確かです。

私が中国にいた時に、猛暑だったことがあります。その時知り合いの中国人から聞いたのですが、当時天気予報の公表する最高気温が40度を超えると休みになる部署がある等不都合が出るので、最高気温は39度と公表するようにしていたそうです。

あくまで当時の話ですし、知り合いの話なので、真偽の程は定かではありませんが、そう言われて天気予報を見てみると、39度の日が異様に多かったのを覚えております。確かに、百葉箱の置き方等により、気温も何とでもなる面はあるかと思います。

(執筆者・凜)

*当記事は2011年1月2日付ブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。




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