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そしてもう一つのニュースは、なぜか自宅で就寝中の8歳の少女が銃弾を受けて死亡したというニュース。報道によると事件が発生したのは2日未明、ラチャブリー県の民家で数発の銃声がした後、眠っていた少女の息が荒くなり、その約3分後には亡くなったそうです。
※NationChannelの報道。
この銃声。実は自宅近くで新年を祝う宴会を開いていた者が酔った勢いで空に向けて撃ったもので、おそらくその銃弾が少女の自宅に落下。トタン屋根を突き破って少女の脇腹に命中したのではないかと言われています。タイでは定期的にこの手のニュースがありますが、今年こそは銃規制を厳しくしてほしいと思った新年のニュースでした。
で、私がタイらしいと思ったのはこの事件の報道動画に出て来る地元議員さん達。報道動画の2分過ぎに、事件の視察に訪れた地元議員さん達が被害少女のお母さんに「葬式代です。気にしなくて良いよ、こういう時は助け合いだから」と香典らしき物渡しています。なぜにカメラの前で渡したのか。
※NationChannelの報道。
良い悪は別として、いかにもタイらしいと思った一場面でした。そう言えば私の自宅の近所で大火事があった時、選挙区の議員さんが火事現場の横で、自分の顔写真の貼ってある消化器を近隣住民に配っていたのを思いだしました。(報道動画はNationChannelから)
*下記記事は1月5日付ブログ「バンコクでコンサルティング」の許可を得て転載したものです。
パニット民主党議員がカンボジア領侵入・身柄を拘束される
1月5日のニュースは、今タイ国内で一番報道されている、昨年12月29日午前10時頃、パニット民主党議員ら7人が、国境侵犯の罪でカンボジア当局に身柄を拘束されたニュースを。
※Nation紙の報道。
各局報道によるとパニット民主党議員以下7人が逮捕されたのはカンボジアと国境を接するサケオ県で、身柄を拘束された時点では、随行員が持っていたビデオカメラの映像からカンボジア領内に侵入していた事が確認されています。
国境の村から、田畑にカンボジア兵が入り込んで困っていると報告を受けたためにパニット議員が視察に訪れたと当初報道されており、タイ政府も逮捕されたのはタイ領内だとしていましたが、映像が報道された後、逮捕されたのはカンボジア領内であった事を認めています。
また同日カンボジアのフン・セン首相は同議員についてプノンペンで裁判を行うと述べました。
※Nation紙の報道。
現在報道で出まわっている5分程のビデオ(Nation紙)について、アピシット首相は「20分程の映像を誰かが意図的に編集したもの」として居ますが、このビデオを見る限りパニット議員がカンボジア領に意図的に侵入した事は否定できないかと。
携帯電話で議員が首相秘書官宛に電話しているシーンがあり、そこで「今カンボジア領に居る。何かあればアピシット首相に伝えてくれ」と話しています。
この会話が逮捕前か逮捕後であるかと論争になっていますが、会話の状況を見る限り逮捕後には見えません。アピシット首相は電話があったのは逮捕後だと主張していますが、画像をどう編集しても逮捕後には....です。
※BnagkokPostの報道。
今月に入ってカシット外相がプノンペンを訪れ、同議員を含む7人の釈放を要求しましたが、失敗に終わりました。ちなみにフン・セン首相がタクシン元首相と仲が良い事は周知の事実ですが、このカシット外相はかつて空港を占拠した黄服(PAD)の幹部であり、空港占拠を「面白い経験だった」と発言した人物です。
カシット外相が交渉に訪れた事で、7人に対しては国境侵犯罪に併せて軍事エリアへの侵入罪がプラスされたとも言われています。
※posttodayの報道。
また黄服(PAD)の近親団体「タイ愛国者ネットワーク」が今月1日バンコク都内の国連支部に7人の釈放に協力する様デモ行進を行いましたが、これは逮捕された7人の内にネットワークの幹部が居たためです。アピシット首相はあらゆる手を使って7人の早期帰国に尽力すると会見で語りました。
議員が他国領内に侵入して自国の領土で逮捕されたと主張する所はどこかの国と....。