iPhoneやiPadで使用するソフトや音楽を購入できるiTunesストア。そのアカウントがハッキングにより盗まれ、中国で大規模に売買されているとAFP通信が報じました。今回はその記事を検証します。


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盗まれたiTunesアカウント、ネット競売サイトに氾濫 中国（AFP、1月7日）
ハッキングにより盗まれたアップル（Apple）のiTunes Store用ユーザーアカウントが、中国のネットオークション最大手「淘宝（タオバオ、Taobao）」で販売され、楽曲などのダウンロードに悪用されていると、中国の国営紙・環球時報（Global Times）が6日報じた。

　同紙によると、タオバオ上では、過去数月間でiTunesの不正アカウントが数千件販売された。現在も約5万件が1～200元（約13～2500円）で売りに出されているという。また、アカウントを購入したユーザーには24時間以内に使用することが推奨されており、アカウントの持ち主が不正に気づいてクレジットカードを無効にすることが計算されているようだという。

・ネットショッピングモールで探してみた

まずはタオバオで「iTunes」と検索。すると以下のような検索結果が。




上から順に、

・フルーツ忍者（iPhone／iPodTouchともに利用可）、iTunes正規版。
・iTunesギフトカード0.99ドル、正規プログラム
・iTunes　1対1　わかっているでしょ？
・iPhone／iPad有料アプリ／ゲーム代理購入
・米国正規iTunesギフトカード100ドル代理購入

となっています。トップに表示された5件はいずれも怪しいかぎりですが、とりわけ気になるのは3番目。詳細を見ようと思ったのですが、すでに削除済みでした。

他にも見ていくと、

・新規iTunesコード　100ドル（約8300円）を100元（約1200円）で提供
・iTunes100ドル、24時間限定消費
・アップル・iTunes、100ドル、1日以内に消費すること、十分に消費しきれないうちに封鎖された場合には賠償

などという怪しい広告がずらり。


・盗用アカウントの使い方教えます！丁寧な販売店

中国では以前から海外のiTunesギフトカード（クレジットカードを使わずとも購入が可能になるプリペイドカード）の販売が盛ん。どういう手順で入手されたものかわかりませんが、額面よりも随分と安い金額で販売されているケースも多々ありました。しかし、最近ではギフトカードの値段はほぼ額面通りで売られるケースが多くなっています。

そこで代わりに浮上してきたのがハッキングされたアカウントの売買です。上記のような「額面よりも圧倒的に安い金額での購入が可能」「使用時間の制限がついている」ものは盗用アカウントが売却されている可能性が濃厚です。使用された代金はどこかのユーザーに請求がいくことになります。ネットショップからアカウントを買う人がどこまで自覚しているかわかりませんが、盗みそのものです。



＊タオバオのショップにはご丁寧にハッキングアカウントの入力方法を教えているサイトまでありました。

AFPによると、過去数月間で数千件ものアカウントが販売され、現在もなお約5万件が売られているそうです。私が見た限り、すでに削除されたショップも多く、AFPの記事を受け、タオバオが対策に乗り出している可能性が高そうです。しかし隠語で表記されているケースも多く、手作業でのチェックとなると全てを取り締まるのはなかなか難しいかもしれません。

またもう一つの問題はアップルがどのように問題を考えているかという点。24時間以内にアカウントが凍結されるという対応を考えても、アカウントのハッキングと売買が大規模に実施されていることを承知しているはずですが、どれだけの対策をとっているのでしょうか？消費者への告知と対策が不十分であったとすれば、アップルの責任も問われかねない事態です。

長くなったので、とりあえずここまで。次回は「タオバオで売られているハッキングアカウントって買っても大丈夫？」と議論している中国ネット掲示板をご紹介します。後編公開しました。「「盗難アカウント買ったよ！チョー便利」中国ネット掲示板で暴露されたiTunesハッキング問題」。





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