中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年01月12日
てっきり日本のパチンコ屋で何年も働いていた日本語ペラペラのスタッフがいると思ったのだが、中国人をターゲットにしているようで、日本的なサービスは皆無だ。BGMも中国のもの。流行歌とも言えないような盛り上がりに欠ける音楽だ。日本のパチンコ屋のような大音量でもないので、ゲーセンの音に負けそうである。
壁にはパチンコとパチスロの初歩的なルール(どこどこに玉を入れて同じ絵柄が揃ったら云々)や、鬼武者や北斗の拳など機種ごとの攻略方法が掲示されている。また各台には当たりが出ましたという紙が貼ってあり、本来なら客が自分で調べるはずのことまで店側がサポートしている。
肝心の遊戯料金の設定はパチンコなら1元で25玉、パチスロなら1元1コイン(どうやらゲーセンと同じコインを使っているようだ)というレート(?)で貸し出しをしている。ゲームにかかる必要最低金額は100元だ。
せっかく中国にはない娯楽が合法的にできるというのに店内の雰囲気は悪く、客が寛げる様子ではない。一回やってみようと思ってやって来たボクも店員の態度にすっかりやる気を削がれて店内をグルグルしただけで終わった。
ちなみに台の調子について言えば、日本のパチンコ屋にも数えるほどしか行っていないボクが見ても釘の間隔が広いように見えた。日本のゲーセンに置いてあるパチンコ台と同じぐらい甘そうである。
だから一枚一枚タラタラ落とすだけのプッシャーゲームをやるより、こっちの方が慣れれば勝てそうなものだが、知名度がなければどうしようもない。
しかし前述したプッシャーゲームの流行を見ると、パチンコやパチスロも中国で爆発的に流行る可能性を十分持っている。パチンコやパチスロに対する悪いイメージや抵抗感も日本と比べたらさほど持っていないと思うし、何より合法なのだから恐れるものなど何もない。
問題は売り方にあるのだろう。競合店でもできれば西単の店も必死にならざるを得まい。そしたらあとは流行り物にすぐとびつく中国のこと、ブームはあっという間に広まると思う。
でも、これでは遊び慣れた日本人は満足しない。ひり付くようなギャンブルをしたくてたまらないジャンキーはどこで遊べというのか。
しかし失望してはいけない。換金できないパチンコなんて女子供のやるごっこ遊びだ、という方に吉報。建国門(北京の中心部)や望京(北京のコリアンタウン)などには換金OKのパチンコ屋が存在する(おそらくどこかのマンションの一室)。100%掛け値なしの非合法賭博だから日本よりスリリングなゲームが楽しめるだろう。店側と警察側に意思の疎通がとれていなかったら、確変中に公安が乗り込んでくるというハプニングつきだ。
あくまで違法で危険と隣り合わせのギャンブルなので、行かないに越したことはないのだが……。もしも我慢できずに遊びたくなったら、そっち方面に詳しい人や店側と仲良くなっておくことをおススメする。
万が一公安に踏み込まれちゃったら、「(確変に)入れてないから未遂です!」と訴えるしかない。