中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年01月11日
2007年に現役の常務委員(序列第6位)であった黄菊が癌で亡くなっていますが、それ以前に長期入院した際もかなり公表を先延ばしにしていました。仮に胡錦濤が療養していたとしても、「この空白期間は入院してまして」などと律儀に教えてくれる国ではありません。老いと病は政敵にひたすら隠さなければいけません。
ところが、中国のトップである党の総書記(と国家主席と中央軍事委員会主席)ともなると専用ページでその動向が紹介されてしまい、否応なくバレてしまうわけです。
前出の空白期間も一目瞭然でしたし、12月に姿を現してからも、国家主席としては異常な露出の少なさ。現在も前回コケにされた訪米に万全を期すため、楊潔チ外相に露払いさせた今回は健康面に配慮して公務を極力控えている状態でしょうか。
■胡錦濤動静(胡錦濤活動報道集(新華網)を参照)
中国2010年上海万博総括表彰大会、北京市で開催(新華網、2010年12月27日)
※新華網の報道。
12月28日:中央政治局会議
12月29日:北京市内を視察
※新華網の報道。女性と比べて胡錦濤の体が小さく、加工された写真ではとの噂も。。
12月30日:新年京劇会
※新華網の報道。
12月31日:新年年賀
※新華網の報道。
1月1日:全国政協会議主催の茶会
※新華網の報道。
1月10日:中央規律検査委員会
年末に恒例となっている行事をこなしたものの、年を越した瞬間にまた引き篭もり状態。本日出席した中央紀律検査委員会の会議は速報扱いですので、今のところ写真を含めた詳報はありません。
12月の復活時には明天会更美好さんから健康問題について、「黄華氏の告別式の映像みてると、ちょっとふっくらしたというか・・浮腫んでいるような気がしたのはわたしだけでしょうか・・健康問題どうなんでしょうかね」とのご指摘を頂いていました(中国という隣人「胡錦濤、久しぶりに現れる」のコメント欄)。
胡錦濤は「作り笑いは得意じゃないのー」な人なので割り引く必要はあるものの、APEC出席時と今回を比較すると、一気に老け込んだ印象を受けます。表情が作れていないといえばいいのでしょうか。皆さんは下の写真と対比してどう思われますか。
※新華網の報道。2010年横浜APECに参加した胡錦濤。
こういうのは香港紙がやってるかなーとググッてみたものの、さすがの香港紙も中国トップの健康問題に触れるのはタブーなのか、李克強の主要国外交デビューを「時は来た。それだけだ」と論評する記事が引っかかるのみ。曰く、「李克強の外遊は、これまで途上国が多かったので、総理交代を1年後に控えたこのタイミングで周知させようという意図が透けまくり」。であります。
写真はその瞬間を切り取ったものに過ぎませんから、判断の補強に使う程度でいいと思いますが、胡錦濤の日程がスカスカなのは厳然たる事実。訪米の後はもう旧正月で例年充電期間に入りますので、3月に予定されている全人代あたりでまた様子をまとめたいと思います。
「死せる孔明、生ける仲達を走らす」
作戦だったりして・・・