中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年01月12日
*写真は鳳凰網の報道。
また一方で注目を集めているのが、ゲーツ米国防長官と胡錦濤国家主席の会談当日に初試験飛行を敢行したという「タイミング」。胡主席の訪米を目前に控えた今、米国を挑発するような行動にはどのような意味があるのか。ゲーツ長官が帯同していた米メディアによると、胡主席はこの日、J-20の初飛行が行われることを知らなかったという。
中国軍制服組の増長懸念か=「胡主席飛行知らず」異例公表―米(時事通信、2011年1月12日)昨年来、中国共産党内部の権力争いに注目が集まっている。一つの見立てが胡錦濤(共産党青年団がバック)対習近平(軍部がバック)の対立というもの。昨年の反日デモもその一環ではないか(過去記事「「官制デモ」から「本当の愛国デモ」に変わった?止まらない反日デモを考える」参照)、年末年始の胡錦濤の動きの少なさの意味は?(過去記事「体調不良?国家主席交代繰り上げはあるのか?年末年始に動きがなかった胡錦涛―中国コラム」)などと妄想をたくましくしてしまう。
米国防総省高官は11日、中国を訪問中のゲーツ国防長官が胡錦濤国家主席と会談した際、胡主席が中国軍の次世代ステルス戦闘機「殲20」の試験飛行を知らされていなかったとの見方を明らかにしたが、軍拡により政治的にも影響力を強める中国軍制服組の増長に対する米側の強い懸念を示したものといえる。
日本と米国は一つの見方を共有している。いわゆる中国の軍部が独立を強めているというものだ。政府のコントロールを受けないところまできたとの見方をするものもあるようだ。だが、それは中国に対する大きな誤解だろう。昨日、ゲーツ長官配下の米高官が海外メディアにもらした「胡主席が事前にJ-20初飛行を知らなかった」という話は、こうした理論に基づいて、中国人の含みのある表現(知っていても知らなかったふりをする)を理解できなかったのだろう。中国では、武器はしっかりと共産党の掌中に収められている。政治的意志決定のプロセスが秘密のヴェールに包まれている中国だけに、内情を理解することはたやすいことではない。メディアや識者の見方も一致していないようだ。ただ、今回の件も含めて、権力争いという見立てを支持するかのような状況証拠が次々と出てくるだけに、今後、この問題はさらに注目されることになるだろう。
http://twitter.com/#!/mranti/status/24996781687308289
このステルス機が日本領空に飛来するのも時間の問題