中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年01月14日
・現代の関所
中国のインフラ整備といえば高速鉄道が有名だが、主要道路も急ピッチで整備されている。鉄道にせよ道路にせよ、その多くは税金を投じた無料設備ではない。事業会社が設置され、将来の料金収入から建設費を回収する仕組みがとられている。ゆえに中国の道路の多くにはあきれるほど多くの料金所が存在し、ドライバーたちを悩ませている。中国をバスで旅行したことがある人ならば、頻繁に料金所が出現することに驚いた経験があるのではないか。
問題は道路というインフラを独占企業が経営していること。有料道路を使わなくとも下道でいけばいい、という状態ならいいが、「有料道路しかない」というルートの場合にはもはや選択肢はない。問題はその価格が「公共インフラとしての適正価格にあるか」という点だ。2008年3月26日付南方週末は、北京首都国際空港高速道路の累計聴衆料金がすでに建設費の10倍に達していると報じた。投資家にとってはこたえられない「おいしい」商売だけに、どうにか参入しようと投資家と官の癒着も深刻化。道路運営権受注をめぐる贈収賄事件も起きている。
・誰が砂利を運んでいるのか?
目的地まで何往復もしなければならない運送業者にとって、道路料金は死活問題。なんらかの対策が必要となる。ニセのナンバープレートもその一つだろう。以前には料金所を迂回するような私道が作られたという事件も起きている。
20万元の利益をあげるために、368万元の交通費を支払わなければならない。そんな馬鹿げた商売は誰にもできないはずだ。とはいえ、誰かが砂利や砂を運ばなければ、建設現場はストップしてしまう。摘発された農民のトラック2台だけでは、現地の砂利需要を全て満たすことはできないはずだ。
では誰が砂利を運んでいたのか?時と同じくニセのナンバープレートを使っていた人間か。いや、すべてのトラックがニセのナンバープレートを使用していたとは考えづらい。むしろありうるとすれば、軍や警察と関係が深く正規の軍/警察用ナンバーをつけた車を使うか、料金所の人間を買収して正規料金よりも安く通行するかのどちらかだろう。
いやはや、商売は人間関係がすべてというが、中国での商売はなおさらだ。
中国人はこのくらい厳しくしないと模倣犯が出まくってしまって社会体制が崩壊してしまうんでしょうね
日本人だと「お天道様が見てる」、と自戒しますが、
中国人は「儲けられる話が目の前にあるのにそれを掴まないのは馬鹿だ。たとえそれが犯罪行為であろうとも」
という考えを持っていますから