• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

「ぶれまくりの菅首相、側近が変われば政策も変わる」内閣改造を中国メディアはどう見たか―政治学で読む中国

2011年01月15日

菅内閣改造に対する中国の評価

14日、新たに入閣した閣僚らの認証式も終わり、菅第2次改造内閣が正式に発足しましたが、それに対する中国の評価(意見)について少し。


NAOTO / t-miki


この内閣改造に対する中国の評価が人民網に掲載されておりましたが、表題が「鷹派出任日本内閣要職 中日関係将面臨挑戦(タカ派が日本の内閣の要職に就き、日中関係は挑戦に直面する)」となっており、明らかに警戒しております。

その最大の原因が仙石由人前官房長官に替わり、新たに就任した枝野幸男官房長官で、「タカ派であり、中国に対し強硬な態度をとっており、かつて中国を『悪しき隣人』と呼んだことがある」と評しております。

*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。

前原誠司外務大臣が中国に嫌われていることは、既に広く知られておりますが、彼が留任したことも気にくわないようで、「一緒になり、中国に対しより強硬な政策をとるのではないか」と懸念を表しております。

以前にも書きましたが徐敦信前駐日大使インタビュー、中国における民主党政権の対中国外交は、2009年9月の鳩山内閣の時は、大変良好で、アメリカと中国に同じ距離で接していたとしております。ところが、菅内閣になり、前原大臣が外交の主導権を握ると、アメリカ一辺倒になってしまったという評価がなされています。

この記事の中で、一番うけたのが、「菅直人の執政の最大の特徴は、はっきりした自分の考えを持っておらず、左右にぶれ、多くの問題で、閣僚の牽制を受ける」と評されていることです。つまり菅総理大臣がこうした性格だから、枝野さんや前原さんの様な方が首相の近いところにいれば、彼らの影響を受けてしまうと考えられているわけです。

そして、中国としては、60年代以降に生まれた若い政治家はアメリカの影響を強く受けているのだから、こうした政治家が日本の行く末をどのように考えているか、どのような政治的抱負を抱いている等研究して、今後の対日政策を練っていかなくてはならないとしております。

菅内閣の政策を「アメリカと連携して中国に対抗する」として批判し、日本経済が中国に依頼している以上、政治上で対抗姿勢をとるのは矛盾であり、再び日中が政治的対立を迎えないことを迎えなことを望むとして記事は終わっています。

大変興味深い記事で、中国が新内閣に対してどのような見方をしているか、大変うまくまとめられていると思います。しかし、あまりにも菅首相の存在感がなさ過ぎるというか、ある意味図星だと思いますが、これが日本の代表に対する評価かと思うと大変情けなくなってしまいます。最低限政治家は自分の主張を持って、強くあってもらいたいというのが私の希望です。


*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。





<過去記事>
中国外交官が見た対日外交の転換=鳩山・小沢の友愛外交から菅首相の掌返しへ―政治学で読む中国

「誇張報道」に見る中国メディアの警戒感=菅政権は日米同盟重視路線に回帰するのか

【中国コラム】外国人の入札お断り!中国の尖閣諸島領有権示す鉄の証拠が競売に?!

尖閣は日本領?それとも中国領?領有権を確かめる31の方法―中国の政治ジョークをご紹介

砲撃の狙いは金儲け?!北朝鮮砲撃で盛り上がる中国ネット掲示板をのぞいてみた

コメント欄を開く

ページのトップへ