中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年01月18日
L・DARTさんは1985年生まれの25歳。学生時代にデビューし、プロ漫画家として活動しているとのこと。現在は雑誌『龍漫少年星期天』(『龍漫少年サンデー』)で、「神契幻奇譚 第2部」を連載中だそうで(第1話が読めます。多分第1部のもの)。同誌ウェブサイトから旧作が無料で読めますね(『桃魂』、『前鋒時刻』)。
*ところで龍漫少年サンデー。小学館が協力しているのでしょうが、ウェブサイトのロゴに「CORO-CORO」と入っているのが笑えます。サンデーなのか、コロコロなのかはっきりしてもらいたい(笑)。コナンと犬夜叉が看板のようです。
ただ、共同通信記事でも、今回の日本デビューにあたっては日本の編集とメールでやりとりし日本漫画のノウハウを学んだとあるように、旧作とはまたがらっと変わっているんじゃないかと期待したいところ。ウェブサイトで公開されている漫画を見ても、『桃魂』から『前鋒時刻』、そして『神契幻奇譚 第2部』と時を経るごとに絵柄ががらっと変わっていますし。
飲み会の席では、中国にはなかなかいい漫画編集がいないとこぼしていましたが、中国では描き方のノウハウやストーリー作りを教えてくれる人が周りにいないわけで、日本人の漫画家と比べると随分ハンデを背負っていると言えるかも。小学館の編集さんと漫画作りに取り込んだことは大きなプラスだったんじゃないでしょうか。
さて、L・DARTさんのブログによると、『月刊!スピリッツ』に載る読み切り漫画「KILLIN-GI」(仮題)は、三国志の孫策の物語。史実にきっちり書くのではなく、「今の日本市場にあわせて」戦国バサラ的路線でいくそうで。また青年誌での掲載になるため、「黄很暴力的画面」(エロと暴力のあるシーン)も書いたそう。作品は中国でも雑誌掲載されるそうですが、そちらではカットされることになるのだとか。都条例施行後も日本のほうがまだまだ規制がゆるいということでしょうか(笑)。
さて、最後にL・DARTさんがブログで「日本で感動したこと、悲しかったこと、収穫」を書いているので、ちょろっとご紹介。
感動の時間・第1位:日本の牛肉うめぇ!日本のラーメンうめぇ!日本の焼き鳥うめぇ!
感動の時間・第2位:ついに自分と同じぐらいの背丈のガンダム見た!うぉおおおおおおお!
感動の時間・第3位:ついに自分と同じぐらいの背丈の綾波レイを見た!うぉおおおおおおお!
感動の時間・第4位:ついに自分と同じぐらいの背丈のケンシロウを見た!うぉおおおおおおお!
悲劇の時間・第1位:小学館のコーヒー苦い。でもおかわりをたくさんもらってしまった……。
悲劇の時間・第2位:冬の夜に露天風呂に入ったこと。お湯につかるまでに凍死しかけた……。
悲劇の時間・第3位:「足湯」の底にある砂利が痛かった……。
悲劇の時間・第4位:前菜としてでてきたのはマジで生卵だった……。
収穫・その1:日本販売向けのGP02!(多分、ガンプラのこと)
収穫・その2:日本販売向けのフィギュア!
収穫・その3:日本語の日本販売向け漫画!(持って帰る時死にそうになるほどの量……)
収穫・その4:今年の仕事スケジュール。山ほど……。
まぎれもなくオタク、ですね。
さてさて、それはさておきL・DARTさんには期待したいところ。1回飯を食った縁というのももちろんですが、漫画やアニメを読むだけじゃなく、作る人が増えることで、海賊版を消費して終わりじゃない、本当の意味での市場が中国に開ける可能性もあるんじゃないかな、などという思いもあったりします。
というわけで、来月発売の「KILLIN-GI」(仮題)を待ちたいと思います。飯を食べながら語ってくれた中国漫画家事情、漫画業界事情がめちゃくちゃ面白かったので、またメールかチャットで詳しく教えてもらって「Kinbricks Now」でご紹介できればなどということも考えていたり。実現するかはこれからの相談次第なんですが。
というわけで、ChinanewsはL・DARTさんを応援しています!
ものすごく理解します...