ニート及び親のすねかじりは法律禁止する!
そんな不思議な法案が現在、江蘇省人民代表大会で審議中です。
弈 / No Dust2011年1月20日、江蘇省第11期人民代表大会第20回会議で、「江蘇省老人権益保障条例(改訂版)」の審議が行われ、ニート禁止の条文が加えられることに。21日付南京晨報の記事「
江蘇省、子どもによる悪意有る『すねかじり』を法律で禁止=『両親を食い物にするニートは敵だ」を参照しました。
中華人民共和国老人権益保障法及び各省の老人権益保障条例は基本法的な性格を持つもので、
「老人には医者にかかり、やりたいことをやり、学習し、楽しむを持つ権利がある」(第3条)
「老人への差別、侮辱、虐待、そして老人の遺棄を禁止する」(第4条)
「全社会は敬老・養老の啓蒙教育活動を広く展開し、老人を尊重し、関心を持ち、助ける社会の気風を育てなければならない」(第7条)
「老人の扶養は家庭が主に担う。各家庭のメンバーは老人に関心を持ち、面倒を見なければならない」(第10条)
とか、細かい決まりというよりは、「こういうことを守りましょう、目指しましょうね」というお話とでもいいましょうか。(上記条文は百度百科「
中華人民共和国老人権益保障法」より)
で、その江蘇省版条例改定案に「
独立した生活能力を持つ青年子女は老人に経済援助を要求してはならない。老人はこれを拒絶する権利がある。子女及びその他親族は仕事がないことやその他の自由をもとに、老人の財産をだまし取ったり、かすめとったり、あるいは強制的にもらい受けたりしてはならない」との条文が組み込まれました。
南京晨報は「啃老族是冤家」(ニートは敵だ)という刺激的なタイトルをつけているわけですが、紹介している実例は「息子が結婚する時に買ってあげたマンションに居座って、貯蓄ができた今も返してくれない」「就職したてでまだ金がない子どもがマンションの頭金にするからとせびってくる」など、ニートじゃない実例ばかりなんですが……。
とはいえ、就職難が続く中国ではニートというか、「無業の民」はごろごろいるわけで、「ニート禁止法案」といってもウソではないのかもしれません。今後は働かない子どもに対して、両親は「江蘇省老人権益保障条例第15条に基づいて命じる。働け!出てけ!結婚しろ!仕送りしろ!」と言えるようになる……のでしょうか?
*追記
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